2018年3月24日土曜日

批評家賞はラファエラ・カラスコ

ヘレスのフェスティバル、世界各地から訪れたジャーナリストや専門家たちが選ぶ各賞が発表された。

もっとも優れた作品に贈おくられる批評家賞はラファエラ・カラスコ「ナシーダ・ソンブラ」


新人賞にはヘレス出身ヘマ・モネオ。


今年新設されたギターの賞にはマヌエル・バレンシア。

フラメンコな瞬間におくられるペジスキート賞にはフアン・オガージャ。


また、ヘレスのペーニャ協会が選ぶ、伴唱賞にはマヌエル・タニェとホセ・アンヘル・カルモナ、新人賞にはジェシカ・ブレアが選ばれた。

2018年3月23日金曜日

速報 コルドバ、ギター祭

今年で38回目となるコルドバ、ギター祭のプログラムが発表された。
なんと今年は恒例ハビエル・ラトーレのクラスの他、エバ・ジェルバブエナとマリア・パヘスのクルシージョが行われる。
公演ではマリア・パヘスやビセンテ・アミーゴも。
なお、フラメンコ以外ではキッスや、マイク・スターンも登場します。

◇コルドバ ギター祭
7/4(水)20時30分「オエジェメ・コン・ロス・オホス」
[出]〈b〉マリア・パヘス舞踊団
[場]コルドバ ゴンゴラ劇場
[料]18ユーロ
7/7(土)22時30分「エンロルケシードス」
[出]〈c〉ミゲル・ポベーダ
[場]コルドバ アセルキア劇場
[料]25~50ユーロ
7/12(木)20時30分「アル・ボルデ・デル・アリア」
[出]〈g〉フアン・カルロス・ロメーロ
[場]コルドバ ゴンゴラ劇場
[料]18ユーロ
7/14(土)22時30分「メモリア・デ・ロス・センティードス」
[出]〈g〉ビセンテ・アミーゴ
[場]コルドバ アセルキア劇場
[料]25~35ユーロ

[問]www.guitarracordoba.es

◇コルドバ・ギター祭
7/5(木)~7/7(土)
[教]〈g〉フアン・マヌエル・カニサーレス
[内容]10~14時 中上級「両手の正確さのためのフラメンコ・ギターの練習」
[料]180ユーロ
7/8(日)~10(火)
[教]〈g〉ホセ・アントニオ・ロドリゲス
[内容]10~14時、10日は18時から20時も。中上級「コンサートのためのフラメンコギター。個性を探して」
[料]180ユーロ
7/8(日)、9(月)
[教]〈g〉パコ・ハラーナ
[内容]17~20時 中上級「伴奏フラメンコギターのための知識」
[料]125ユーロ
7/11(水)~14(土)
[教]〈g〉マノロ・サンルーカル
[内容]10~14時 中上級
[料]180ユーロ
[場]コルドバ コルドバ大学文学部

7/4(水)~6(金)
[教]〈b〉ハビエル・ラトーレ
[内容]10~13時 中上級「ピアソラ・フラメンコ」
[料]100ユーロ
7/7(土)、8(日)
[教]〈b〉マリア・パヘス
[内容]11~14時 中上級「フラメンコ動きの考古学」
[料]100ユーロ
7/8(日)~9(月)
[内容]8日17時~20時、9日11時~14時 中上級「振付の動きにおける意図」
[料]100ユーロ
[場]コルドバ アセルキア劇場

[問]https://www.guitarracordoba.es

2018年3月21日水曜日

フラメンコ・ビエネ・デル・スール メルセデス・ルイス「デハメ・ケ・テ・バイレ」

2年前のヘレスのフェスティバルで初演した作品
なんですが、完璧、忘れてました。
公演前に自分のブログ見て、ああ、そういえば、そんなのあったよね、と言う。
忘れっぽくなったなあ。
パコ・セペーロ、ダビ・パロマール、ヘスース・メンデスという3人のゲストの代わりに、サンティアゴ・ララ、ダビ・ラゴス、ダビ・カルピオという布陣。
そういえば、ありました。パロマールの代わりをラゴス、ヘスースの代わりをカルピオ。

ダビ・ラゴスは、もう音程から声の出し方、、速度、声の強弱の調節、どれをとっても完璧で、素晴らしい。ミロンガ、ガロティンはコリンで。

ギターの早いスピードでのシギリージャからの、カルピオのマルティネテをカバーレスで終わる。男装で踊る。

プレゴンの高低とか名人技。もともとカディスのパロマールの役だから、カディス風の早口言葉風レトラとかもうまくこなす。アレグリアスはバタで。
ファンダンゴを挟んでソレア。黒い別珍風のドレスで、背中が大きく開いていて、その背中の部分になんだかよくわからない飾りがいっぱい。

メルセデス、なんでもちゃんと一通りできるんだけど、衣装が彼女を助けてない。
最初の衣装は、上のホックを止め忘れたのか、背中の上がビヨンとなっていて気になったし、バタもぺちゃんとしている。まあ、クラシックな感じにしたということかもだけど。しかしソレアに至っては、バランスが悪すぎる。で、そっちばっか気になって踊りに集中できなかったよ。

華奢で腰の位置も低めで、日本人体型に近いメルセデス、腕も肩の前がわについている感じで、ブラソの動きも小さめ。なんでも出来るのに、オレ!の瞬間が来ないんだよね。
コミュニケートしてこない感じ。シャイな人なのかな。
それともためが足りない?
ヘレスのバイラオーラでは実力が一番なだけにもう一歩進んで欲しいというのは、見る方のわがままですしょうか。

2018年3月14日水曜日

ヘレスのフェスティバル 観客賞はスペイン国立バレエ

ヘレスのフェスティバル。
観客の投票による観客賞はスペイン国立バレエの受賞が決定した。

Festival de Jerez- Javi Fergo


なお、2位はアンドレス・ペーニャとピラール・オガージャ「トゥルネ」

Festival de Jerez- Javi Fergo

3位はダビ・パロマル。エル・フンコ、リキ・リベラ、ロベルト・ハエンの「ケ・パサラ、シ・パサリア」
Festival de Jerez- Javi Fergo

この作品のセビージャ、セントラル劇場で見てきましたが、
また、地元ネタで、セビージャの聖週間やセビジャーナス、フェリア、さらにはサッカーチームの応援歌までちりばめて、またもや笑い死しそうでした。

2018年3月12日月曜日

ヘレスのフェスティバル カルペータ「ア・バイラール」

ファルキートの末弟、カルペータの初めてのリーダー作品。
あれは確か大震災の年だから7年前、母ファルーカの作品に出演していた彼の凄さに目を見張った。当時13歳。子供が踊ったと言う感じではなく、すでに踊り手として、一人前で、感服したのを覚えている。
その後も何度か、兄たちと競演しているのを見たけど、初の作品ということで期待したのだが。
結論から言うと非常に残念だった。

まず照明がひどい。バックミュージシャンの方が踊り手よりも明るい、ということもままあり、カルペータに当たっていても、顔が陰になっている。初演、ということを考えてもひどすぎる。
© Festival de Jerez/Javier Fergo


シギリージャから始まるが、これがカナーレス風。
ソレア/カーニャも、途中で踊るのをやめて、拍手を待つような感じ。ホアキン・コルテス風? ラファエル・アマルゴじゃないんだから。

万事がそんな感じで、一曲をきちんと踊ると言うよりも、途中でほったらかして歩いたり、出てくるなり、お辞儀したり、わけがわからない。

お友達なのか、エレキベースを弾いていた男が、ピアノの弾き語りを長々としたり(それも歌もピアノも上手ではない)、ギターソロが二曲続いたり、また歌い手でも一人、音程が良くないのがいたり。

カナーレスやコルテスのビデオ見過ぎなのかなあ。
すごくいいものは持っているのにもったいない。
自分一人でやりたい、と思ったのかもしれないが、まだまだです。
誰かが助けてあげないと。

© Festival de Jerez/Javier Fergo

ヘレスのフェスティバル ディエゴ・デ・モロン、ぺぺ・アビチュエラ

超ベテラン、ギタリスト二人の競演。
最初はディエゴ・デ・モロン。
メガネをかけセーターで登場。
© Festival de Jerez/Javier Fergo


舞台にセーターで登場するフラメンコのアルティスタは他にいない。
こういうとこらからして、唯一無比な存在。
ブレリア。おじ、ディエゴ・デル・ガストール譲りのファルセータ満載。かと思うと、ラテンの『ソラメンテ・ウナ・ベス』が入ったりもする。
つっかえたりもして、危なっかしいのだが、木の音がする。
「長い間舞台で弾いていなかったから」と説明。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
続いて、ソレア。
音が少なく、メロディをシンプルに綴っていく。ゴルペを多用し、ラスゲアードはあまり使わない。今のフラメンコギターの流れとは全く別にいる、独自の世界だ。
ロンデーニャ、シギリージャ。
チューニングに手間取り、途中でチューニングし直す、なども。
それでもいい。そんな存在なのだ。

ぺぺ・アビチュエラはソレアから。
それまでの白黒テレビが急にカラーに変わったような、そんな感じ。
異世界から現代に戻ってきた?
切れずに進むコンパスが心地良い。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
タランタ。
そしてアネ・カラスコを呼び込み、カホンと一緒にアレグリアス。ブレリア。
リズムに乗って気持ち良く演奏。
音がきらきらしている。繊細さと重みがある。
最後に時計を見て、シギリージャとカバル。歌うような演奏。
1944年生まれというから今年で74歳とは思えないような若い感覚が息づいている。

© Festival de Jerez/Javier Fergo

1時間ちょっとの歴史的ギタリスト、二人の競演。いつまでも忘れないだろう。





2018年3月11日日曜日

ヘレスのフェスティバル ハビエル・ラトーレの振り付け工房

毎年恒例ハビエル・ラトーレの振り付け工房
毎年のことだが、クラスで振り付け、1週間で舞台に上がるという力技。
通常の振り付けクラスのように、全員が同じ振りを鏡に向かって踊るのではなく、
舞台への出入りがあり、フォーメーションを変えて、という、
実際の、舞踊団などで舞台での群舞さながらの振り付け。
クラスのレベルはプロ、つまり超上級者とされているものの自己申告だし、初対面の人もいるにもかかわらず、瞬時にレベルを見抜き、構成していくわけで、一体彼の頭の中はどうなっているのだろう、といつも思う。


 最初はそのハビエルのソロ。オペラに振り付けたスペイン舞踊。

美しい。
続いてアナマルガのアラブ風ルンバ

 そしてカルロス・カルボネルのアレグリアス。さすがカディスだねえ、

そして群舞のハレオ。
圧巻でございました。毎年のことですが、日本人、東洋人がんばってます。

























ビデオはこちら
https://vimeo.com/259510391

2018年3月10日土曜日

ヘレスのフェスティバル イサベル・バジョン「ジュジュ」

2016年のビエナルで初演されたイサベル・バジョン「ジュジュ」。
イスラエル・ガルバンが演出、振り付けを手がけ話題になった作品だ。
ビエナルの時は、イサベルのマティルデ・コラル譲りのセビージャ風舞踊を観るつもりでやってきた観客からのブーイングなども起こったが、今回はもう、そんなこともない。

記者会見の時、話したイサベルは、歌い手以外、何も変わってない、と言っていたけど、実は色々変わっていた。初演後、各地で公演しているから忘れてたのかな。

ジュジュとは怖いこと、で、一言で言えば、怖がることや、迷信深い自分たち自身を笑うような内容であります。

聖歌が奏でられ、イエス・キリスト風の白い衣をまとったギタリストのヘスス(スペイン語でイエス、ジーザスのことなのであります。偶然とはいえ)・トーレスが、客席から登場。客を祝福?しながら、舞台に上がると、逆さづりの天使が降りてくる。
今回、初めてこの作品に参加した、歌い手アレハンドロ・ビジャエスクサがペレグリニトス(小さな巡礼者)を歌い始める。白いクリスマスツリーが踊る。
ビジャンシコス。
真っ暗になって、靴音が響き、明かりがつくとほうきを持った魔女登場。
高下駄でのサパテアード。
歌われるナナも高下駄にちなんでか、ねんねんころりと、日本語でも。爆。
これ、初演では3人でやっていたのが、イサベル一人になりました。
下駄でのブレリア。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
 今度はブードゥーの儀式のようなリズムで、座って踊る。
イスラエルの「ラ・フィエスタ」を思い出す。
この作品と「ラ・フィエスタ」って表裏一体かも。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
 この後、これからすること、迷信を破っていくことについてへヘススが解説し、それをキーボード/クラビコード奏者のアレハンドロ・ロハス・マルコスが英語で通訳。その通訳がまたいい加減で笑う。

最初はサンバのリズムで左足から舞台を踏む。そのままサンバのリズムで踊り狂う。腰の動きが、イサベル得意のあのタンゴの色っぽさ。

レゲトン「ガソリナ」で、はしごの下をくぐる。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
 60〜70年代風ルンバのリズムで、塩を手渡し、
© Festival de Jerez/Javier Fergo

次は塩をこぼす。
膝のサポーターの顔の目を隠すとか、初演ではなかったよ。
© Festival de Jerez/Javier Fergo


舞台には禁物と言われている黄色。黄色の帽子を使ってのファルーカ。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
 多分?鏡の上でのブレリア。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
 アリシア・マルケスとニエベス・カサブランカ。イサベルのマティルデ・コラル教室時代からの、いわば幼な馴染みの大小コンビが、登場。バックコーラスよろしく、バックサパテアードしたり、コーラスというか、声出したり。

ペテネラは不幸を呼ぶという解説の後、ペテネラ。
頭に巻いたマントンが、案外かっこいい。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
 案の定、電気が消え、音も聞こえなくなったり。爆。
さまよっていると猫が横切る。
マントン巻いてのサパテアード。メロドラマ風の音楽はなんでだったのだろう。

車輪のついた椅子で踊り始めるアリシアのソレア。
もういかにもマティルデという、ニエベスのアレグリアス。ブラソが美しい。
歌がチャノ・ロバート風に歌っているのもツボ。


© Festival de Jerez/Javier Fergo
 プラズマボールを囲んでの3人の集会。
「ケ・パサリア、シ・パサラ」のこっくりさんといい、フラメンコ界に静かなオカルトブーム到来か、なことはない。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
スクリーム仮面かぶった歌い手が、ギターの弦を順に切っていく。
一本切っても、一本だけになっても引き続けるが、最後はエレキギターに変わる。
スペイン版「野生の王国」的番組のナレーションを真似した、ヘススの解説でイサベル登場。

最後はヤギさんロック。
エレキギターで、ロッカー、イサベルが弾ける。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
楽しい1時間半でございました。