2016年9月24日土曜日

ドランテス&タクシム・トリオ

アルカサル公演三日目はドランテス。

Archivo Fotográfico La Bienal de Flamenco. Fotógrafo Óscar Romero.

まずはシギリージャ、変化をつけてきかせるのはさすが、ドランテス。パーカッションのハビエル・ルイバル(同名歌手の息子)のパーカッションが、単なるリズムではなく、音楽的なのがすばらしい。

こどもの頃、伯父レブリハーノの家などで、他のジャンルのミュージシャンと一緒に楽しんだフィエスタが忘れられない、というドランテスが今回の共演者に選んだのはタクシム・トリオ。トルコのジプシー・ミュージシャンだ。
カーヌーンという、台形の、お琴のようなアラブ諸国でよくつかわれる楽器をひざにおいてかきならす人、バーラマという、琵琶を細長くしたようなトルコの弦楽器を弾き、歌う人、クラリネットと、中央アジアの木管楽器ドゥドゥクを演奏する人のトリオ。

Archivo Fotográfico La Bienal de Flamenco. Fotógrafo Óscar Romero.

アラブ的な音階も登場するのだが、アラブというよりも、フラメンコロックのパイオニア、グループ、トリアーナを思い出させるようなメロディ。カーヌーンも、バーラマもロックギターのような感じで、演奏される。伝統を新しいかたちにしていくのはなにもフラメンコだけではないのだ。
続く曲はパコ・デ・ルシアの「シルヤブ」を思わせる。いや、そのものとも思えるメロディのやりとりなどもあって、え、これって「シルヤブ」の原作、と思わされるが、そうではないだろう。スペインで、フラメンコのフェスティバルで演奏するゆえの彼らのオマージュなのかもしれない。


ドランテスとのティエント/タンゴ。二拍子系のものは、ほかのジャンルの音楽とのコラボがやはりやりやすいようだ。

Archivo Fotográfico La Bienal de Flamenco. Fotógrafo Óscar Romero.

ドランテの祖母ペラータがフィエスタで歌っていたという「カラバナス」というヒターノたちを歌った曲のアレンジは、マノロ・サンルーカルの「メデア」を思い出させる。ピアノに遠慮がちにトリオもからむ。

そう、おたがいちょっと遠慮がちなコラボレーションだったけど、遠くて近い地中海の音楽。おたがいに刺激をうけて、また新しい挑戦が始まるのかもしれない。


Archivo Fotográfico La Bienal de Flamenco. Fotógrafo Óscar Romero.



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