今年もヘレスのフェスティバルがいよいよ開幕。
ビデオは
こちら
初日の舞台を飾った開幕ガラ“シンコ・エスタシオネス”
ブランカ・デル・レイ
マルコ・フローレス
オルガ・ペリセ
ラウラ・ロサレン
メルセデス・ルイス
の5人が登場するというもの。
エスタシオンは駅。季節という意味もある。
5つの駅を旅するそんなガラ公演という意味だろう。
幕開きはラウラ・ロサレン。
古き良き時代、カフェカンタンテのクアドロにいたような
豊満な肉体をゆらし美しい腕の動きをみせる。
ゆっくり、ゆっくり。
フラメンコの創成期がよみがえる。
やがてペペ・マルチェーナのグアヒーラの録音に。
アバニコではなくうちわをもって
優雅にひらひらと。
続くオルガ・ペリセとマルコ・フローレスのデュオはカーニャ。
これもまた有名なピラール・ロペスのカーニャに想をえたようなところもありつつ
現代的な振付けも加えているのが興味深い。
オルガの鍛えられた根っからのダンサーといった感じと
マルコの女性的にもみえる柔らかさの対比が面白い。
この夜一番の出来だったろう。
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Foto,Javier Fergo |
ちなみにピラール・ロペスのカーニャはこちら。
フラメンコ踊る人は必見の古典です。
大御所ブランカ・デル・レイは
マントンは踊りたかったのだ、という詩で
十八番のマントンをつかって踊り始めソレアへ。
3年前一度は引退した彼女だが
マントンを自由自在にあやつる技は健在。
ただ落としてしまったところが何回かあり
往年のすごさを知る者としては少しさびしい。
続いて再びラウラが登場。
エル・ロンドロ(熱唱!)の歌うカラコール節、サンブラにあわせ踊る。
が、マルカへ、いわゆる歌ぶりが中心な彼女だけに
さっきの踊りとどうしてもにかよってしまう。
ご当地ヘレス出身、メルセデス・ルイスは黒いバタ・デ・コーラでシギリージャ。
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Foto Javier Fergo |
このバタが上体からお尻のところまでぴったりとしたデザインで
ときにパンタロン着用のようにもみえてしまうというもの。
シギリージャに黒は定番だがこの衣装はエレガントではないように思う。
カスタネットもつかっての熱演だが同じようなパソの繰り返しは残念。
オルガもバタ・デ・コーラでベルディアーレスからマラゲーニャへとすすむ。
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Javier Fergo |
この人は本当に身体の訓練がしっかりできていて
完璧なテクニックで美しい動きをみせてくれる。
だがなぜここでバタ?という感じはいなめない。
ここでコルドバのギタリスト、パコ・セラーノのソロでセラーナ。
なぜここで?
コルドバ的、ビセンテ的な響きももつも、いささか古風か。
続くマルコはペテネーラ。
男性舞踊手のソロでみるのは初めて。
たいてい女性のソロ(バタやカスタネット付きでもありますね)
もしくは男女のデュオで踊られるような。。。
マルコの“かたち”が、いささか女性的であるせいもあるのだろうか
とくに違和感はなかったが。
そしてブランカとメルセデスによる学芸会の寸劇のような一曲。
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Javier Fergo |
若い女性メルセデスを死ブランカがつつんでいくというもの。
白い衣装のメルセデスと黒い衣装のブランカ。
クラシック曲で終わる。
サンティアゴ・ララのギターソロでブレリア。
そして最後はカンティーニャ。
ラウラからオルガ、
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Javier Fergo |
ブランカ、
そしてマルコとメルセデスのサパテアード共演。
こうして2時間半近い、長い長い開幕ガラは幕を閉じたのでありました。
踊り手たちの表情をきちんとみせてくれる
照明の美しさは印象に残るし、
ギタリストたちの位置をこまめに変えて舞台の変化をだすなどの構成も悪くない。
が、とにかく長過ぎた。
ガラとなうっているのだから
それぞれの得意曲を一曲+コラボレーションだけでもよかったのではないだろうか。