2012年2月27日月曜日

ヘレス・フェスティバル2012 3日目 カルメン・リナーレス

初日のレポートに写真追加しました

いやあ三日目にして大満足で劇場を後にすることができました。

カルメン・リナーレス。

現代フラメンコを代表するカンタオーラが
スペインの詩人たちを歌うリサイタル。

ギター2台にパーカッション、パルマ2人、ピアノによる
インストゥルメンタルが雰囲気をつくり
エレガントなドレスで登場したカルメン・リナーレス
ホセ・ルイス・オルティス・ヌエボの
「ラ・ルス・ケ・ア・ミ・メ・アルンブラバ」
私を照らしていた光
を歌い始める。
foto Javier Fergo

しわがれた、フラメンコな声
その声が語るように歌い上げる。
ひとつひとつの言葉が
一字一字はっきりと発音され
詩人の言葉が、魂が、歌になって飛び込んでくる。
ファンダンゴのリズムで。

ミゲル・エルナンデスはマラゲーニャに。
パブロ・スアレスのセンシティブなピアノ伴奏
ジャズ歌手のように立って歌い上げるカルメン。
その叫び。
ひたひたと身体にしみこむ。
foto Javier Fergo

歌い上げ
細やかに制御していく
その見事なテクニック
そのテクニックは全て感情表現につながる。

ピアノで踊り始めるベレン・マジャ。
foto Javier Fergo

黒いボディに茶系のグラディエーションの細かいフリルのバタ・デ・コーラ。
身体の動きで詩を語っているかのようだ。
その表現力の偉大さ!
表情、手の細かな動き、そしてひとつひとつの動きに心が、意味がある。
センティードがある。
母の伝統的なフラメンコと父のモダンなフラメンコが
ふたつ同時に彼女の中に生きている。
そしてなによりも雄弁に言葉にならない感情を語ってくれるのだ。
彼女の歌いかけるカルメンの慈愛にみちたまなざし。
ロルカの詩がふりそそぐ。

フアン・ラモン・ヒメネスの「レメンブランサ」
「モゲール」はファンダンゴに。
アルバム「ウン・ラミート・デ・ロクーラ」収録の
 「キエロ・オルビダール・トゥ・ノンブレ」から
「セ・エキボコ・ラ・パロマ」へ。
ヘラルド・ヌーニェスの名伴奏を思い出す。

ロルカの詩を歌い継ぐブレリアでは
マノロ・サンルーカルやパコ・コルテスらとの共演がよみがえる。

アンコールで
ベレンが再び
「イン・パセ」
シギリージャのリズム
foto Javier Fergo

そして拍手にこたえてもう一度舞台に戻ったカルメンが
2月28日のアンダルシアの日にちなみ
アカペラで
カルタへネーラのメロディにのせた
アンダルシアの歌を熱唱。
すばらしいのひとことだ。


伝統的なフラメンコとはひと味もふた味も違うリサイタルで
面食らった人もいるかもしれない。

でも
天性の歌い手が
言葉を歌にのせ
踊り手が言葉を魂に動きにかえて
伝わってくるなにかは
そんな人にもなにかを伝えたと
たしかに伝えたと信じたい。

ありがとうカルメン
ありがとうベレン



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