ヘレス二日目。
ビジャマルタ劇場は
アンドレス・ペーニャとピラール・オガージャによる
「エル・アイレ・ケ・メ・ジェバ」
直訳すれば
「私を運ぶ風」
意訳では
「風にのって」
てな感じでしょうか。
スペインの東風、レバンテにはじまり
アルゼンチンの南から南東に吹く、スデスタダ、
東風、ソラーノ、
メキシコやカリフォルニアの、サンタナ、
北風、ビエント・ノルテ,
西風、ポニエンテ
と風の名前のついた6場面から成る。
アンドレスのシギリージャ、
ピラールのソレア。
アルゼンチンへと飛んで
ピアノ伴奏のミロンガをアンドレス、
アルゼンチンタンゴはピリがバタ・デ・コーラとアバニコで。
パルマのみでアンドレスが
ロマンセにはじまるブレリア・アル・ゴルペを踊れば
ピリがマントンで踊る。
ファンダンゴから
黒人歌手の歌うI got rhythmとなり
アンドレスがタップ風に踊ったかと思うと
マルティネーテに代わり
最後はアレグリアスからブレリアス。
ギターとカンテだけでなく
前述のピアノをはじめ
トランペットにサックス
アルゼンチンタンゴとランチェーラを歌う男性歌手、
アイ・ゴット・リズムを歌う女性黒人歌手、と盛りだくさん。
演出家を招いていい舞台をつくろう、と
意気込んだ感じが伝わってくるのではありますが。
アンドレスはシギリージャでもブレリア・アル・ゴルペでもマルティネーテでも
同じようなパソを繰り返す。
ピラールも同様。
衣装は変わっても踊り自体は代わり映えしない。
同じ人が踊っているのだから仕方ない?
いや
曲ごとに、曲自体がもつ性格をも表現していくのがフラメンコ、
だと私めは思うのであります。
そういう意味で私的には食いたりない。
またホリゾントにうかぶ羅針盤のような映像はともかく
バックに掲げられたじゅうたんは空飛ぶじゅうたん?
うーん謎だ。
照明も踊り手よりもミュージシャンの方が光が強かったり。
ワイヤレスマイクをつかっているせいか
音響もいまいち。
昨日同様これも新作初演でありますから
その意味でいろいろと至らぬところもあったのでしょう。
それにしても、で、あります。
はじめにコンセプトありき、で、アルティスタが2の次になり、
アンドレスとピラールという、
素敵な踊り手カップルの魅力がじゅうぶんに発揮されてない、という感じ。
作品づくりって難しいね。
で、なんだか残念な夜でありました。
明日はカルメン・リナーレス+ゲストにベレン・マジャでございます
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