2025年12月14日日曜日

ロルカ・フェスティバル2025 ロルカの詩を踊る


野村眞里子さんプロデュースのロルカ・フェスティバル。

詩とダンスのミュージアムで行われた、講演と公演を観てきました。

講演は南山大学の小坂先生による、ロルカの詩における舞踊についての講演では、ロルカの詩には、フラメンコ舞踊、ヒターノたち、ニューヨークの黒人たち、キューバ、そして緑、月などと、様々な踊りが登場するというお話でした。

ロルカはフラメンコやヒターノたちに興味を持ち、多くの作品のテーマにしていることもあってフラメンコファンにとってロルカは非常に身近な存在です。フラメンコの歌詞にその詩や戯曲などが取り入れられているだけでなく、人間ロルカをモチーフにした作品も作られるなどしていて、知ったような気になっていますが、個人的にはきちんとまとめて読んだことはないのを反省。スペイン語でも日本語でもちゃんと読んで勉強すべきですね、はい。反省。

講演の中にはフラメンコ・ファンなら誰もが知っている『ベルデ』(無有病者のロマンセ)や、カマロンが歌った『月のロマンセ』なども登場したり、モレンテ『オメガ』収録の『ペケーニョ・バルス・ビエネス』(レオナード・コーエンの『テイク・ディス・ワルツ』)なども取り上げられたりして、休憩を挟んで、杏梨と徳永康次郎によるトランスフォルマシオンと伊藤笑苗による公演でも、『月のロマンセ』や『ベルデ』が登場。詩を踊る、というタイトルだけど、朗読者も歌い手もいないのにどうするのだろうと思ったら、月のロマンセは朗読を録音で流し、丸いレフ板を月に見立て、それを使って影絵遊びをするなど工夫を凝らして楽しませてくれました。後で聞いたら朗読も伊藤本人が直前に録音したというのでびっくり。踊りも、指先まで気を配って、形の美しさも今まで以上に意識しているという感じのパフォーマンスで、これまで使っていなかった筋肉を使っている感もあり、マドリードのコンセルバトリオ、舞踊学院で学ぶことがプラスになっているのだろうと感じられました。ピアノでのカフェ・デ・チニータス、そして最後は帽子を使ってのベルデ変奏曲。どこかにあるものを借りてきたものではなく、ロルカ編のスペイン民謡(古謡とも)をモチーフに展開していったオリジナルの音楽もよく、舞踊も音楽のようになめらかで、良きライブになったと思います。


いやいや若い才能にこれからもどんどん活躍していってほしいものです。


 

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