2024年2月28日水曜日

ヘレスのフェスティバル5日目ホアキン・グリロ『クチャロン・イ・パソ・アトラス』

ホアキン・グリロの新作は労働者へのオマージュ。
畑で働く農夫、鉱山で働く坑夫、そして鉄の仕事をする鍛冶屋。厳しい仕事に日雇いのような悪い条件のもと携わってきた人たち、世代が少し上の人々をイメージしての作品。

最初のブロックでは農夫のイメージで何かを刈る動作などやホタのパソが入ったり、

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

カンテラやカンテ・デ・レバンテで鉱山の雰囲気に包み、鉱山町の居酒屋であろうところでの荒くれ男たちの軋轢をホセ・バレンシアと対峙してみせ

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

マルティネーテで鍛冶屋と進み、
働く人たちへのオマージュをサエタでカルメンが歌う。

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

そして歌い始める。つらい仕事もあるけれど、仲間と歌って力強く生きていく

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez



©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

そしてタイトルの、クチャロン大きなおさじが登場する。

大きな器に入ったものを大さじですくって食べて一歩下がる。皆で同じ器から食べる、日本で言うなら同じ釜の飯を食う、と言う感じかも。
©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

そして始まる宴では歌い手がギタリストが踊り、ホアキンが歌う。ブレリア三昧。




ホアキンも踊る。




うん、きっとフラメンコはこんなふうに、つらい仕事を忘れ、生きるためのものなんだな、とか考えつつ。
客席を通り、ロビーに抜けて歌い続けてさっていく彼らを見ながら思ったことでありました。

それにしてもホアキン。1時間半ほぼ踊り続けているのだけど、その間合いの良さ、靴音の色彩の豊富さはやはりダントツ。美しい、クラシックギター的に美しいギターの音色がサントラのように響き、存在感のあるカンテを引き立て、いやあ、本当に、良き舞台でありました。






Compañía Joaquín Grilo from Festival de Jerez Televisión on Vimeo.

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