それはそれは素晴らしいコンサートでありました。
ビエナル最終日、ロペ・デ・ベガ劇場でのラファエル・リケーニのリサイタル。ヘラルド・ヌニェスが今回のビエナルでプロデュースしたギターラ・デスヌーダ、裸のギターというリサイタルシリーズ同様、共演者はなく、一人だけでのリサイタル。
ぼそっという感じで舞台に現れたラファエルはチューニングもせず、すぐに弾き始める。アルバム『エレンシア』収録の『トゥリステ・ルナ』というグラナイーナ。美しい、心のこもった音。2曲目はソレア。同アルバムの『ソレア・デ・ロス・ジャノス』。一つ一つの音に心を感じる、といったら言い過ぎだろうか。
3曲目はファーストアルバム『フエゴ・デ・ニーニョ』収録の『アル・ニーニョ・ミゲル』。ウエルバ出身のギタリスト、ニーニョ・ミゲルに捧げたファンダンゴ・デ・ウエルバなのだが、ここで涙腺崩壊。なんて美しいメロディなんだろう。そしてまたなんと悲しげなんだろう。初めて彼のアルバムを聴いた頃のことなども思い出される。と、共に、ビセンテ・アミーゴのファンダンゴのルーツもこれだな、と思ったり。
4曲目はまたアルバム『エレンシア』に戻って、『ファルーカ・バチアーナ』。カンシオン風に始まってバッハ風?に展開していく。ついでアレグリアス『エレンシア』、シギリージャ『ラグリマス』、『ミネリーコ』へと続き、1996年のアルバム『アルカサル・デ・クリスタル』収録の『エサ・ノーチェ』。このうえもなく美しい愛のテーマで、また涙する。どうしてこんなに素敵な曲が生まれてくるのだろう。
その後はアルバム『パルケ・デ・マリア・ルイサ』の曲が続く。
黙々と淡々と曲間も開けず、休まず弾き続ける彼の凄さは、その曲のオリジナリティだけでなく、演奏の絶妙な呼吸にこそあるような気がする。持っていかれるのだ、魂ごと。いやあ、天才。躁鬱病だったり、色々問題も起こしたことがある人なのだけど、それも純粋な魂のなせる技かも。
全員総立ちでの拍手に応えてのアンコールはセビージャの聖週間の行進曲『アマルグーラ』。この日の『アマルグーラ』はいつもより晴れやかに聞こえました。『コヒエンド・ロサス』のトレモロの美しさ。
拍手は鳴り止まずもう一曲は『インペトゥ』。
調子に乗って自分のために作った、この公演の曲順に並べたYouTube再生リストを貼っときます。でも生の方がもっとずっといいよ。
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