2022年7月6日水曜日

アルカサル庭園の夜、マヌエル・デ・ラ・トマサとダビ・デ・アラアル


セビージャの夏を彩るアルカサル庭園の夜。
その名の通り、アルカサル庭園で夜、行われるコンサートシリーズ。
クラシックやワールドミュージックなどと共に、フラメンコも。
というわけで出かけてみます。

入口はアルカサル見学の時の、カテドラル側の入り口ではなく、ムリージョ庭園。セビージャ大学寄りにある入り口。公演は暗くなる22時30分からですが、開場は21時。ゆっくり夕暮れ(日本だと夜ですが、セビージャでは夕方の光)の庭園を散策できます。
庭園の奥にあるカフェテリアも開いているのでそこで一杯飲むことも可能。

入り口から公演会場まではちょっとあります。

途中にあった今夜のプログラム。が、曲順も曲もだいぶ変更がありました。



アガパンサスが花盛り。


あずまやには孔雀が。
公演会場はこの右手にありますが、この門をくぐって左手に進むとカフェテリアがあります。
高い椰子の木が並んでます。

で、本日の会場。

ガレリア・デ・グルテスコ、洞窟回廊をバックにした舞台。

最初にギターのダビ・デ・アラアルが登場してつまびき始め、ん、ギターソロかな、と思っているとマヌエルが舞台に現れ、マルティネーテ。朗々と歌い上げる。

続いて、カンテ・デ・レバンテ。ちょっとテミータというか、カンシオンぽい、メロディアスな部分と、昔ながらというか、伝統的な歌唱が組み合わさっているという感じ。

©︎Noches en los Jardines del Real Alcazar


そしてソレア。この人は、早口というかメロディに多めの言葉をのせるところとかの感覚がすごくいいのです。あと、歌への感情の乗せ方。こういうのはやっぱ才能だし、センスの良さって生まれついてのものじゃないかなと思うのです。


©︎Noches en los Jardines del Real Alcazar



アレグリアスはミラブラスやカラコーレス、カンティーニャ、新しい歌詞を混ぜながら。CD録音したのかな? 口跡もよく、歌詞も聞き取りやすい。
伴奏のダビとのバランスも良き。ダビは歌がどこへ行ってもちゃんとサポートできるってのがすごいよね。この若さで。美しいファルセータはもちろんだけど、歌伴奏のうまさって知識と経験あってこそだからね。

©︎Noches en los Jardines del Real Alcazar

パストーラのれとらから始めるタンゴ。そしてシギリージャ。このシギリージャが圧巻でございました。間合いも良く、思いを込めた真摯な歌いっぷり。

大伽藍を築き上げてくれました。曲が終わるとスタンディングオーベーション。


©︎Noches en los Jardines del Real Alcazar



ファンダンゴ、そしてブレリア。1時間の見事なリサイタル。

©︎Noches en los Jardines del Real Alcazar


 大満足、興奮気味に会場を後にしたのでありました。

まあ欲を言えば、真摯で熱唱が続くので、あとは“抜け”。というか、力を抜いた表現がもう少し出てくるともっといいのかも。アレグリアスもソレアみたいな顔で歌っていたからね。

いやいやそんなんはどうでもよくて、とにかく、素晴らしい。伝統と新しい創作がうまい具合に組み合わさってて、熱烈オススメでございます。

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