いやあ、最高。フラメンコって素晴らしい。
カンテはそれ自体がすごいから、小芝居とか文学とか外から持ってくる必要ないんだよ。それ自体がドラマだし、文学だもん。
いい歌い手、いいギタリスト、いいミュージシャン。曲順と舞台上の整理。音響照明。それで十分。他に何もいらないのであります。
幸せな一夜でございました。
最初はブレリア。ダニ・デ ・モロン、ディエゴ・デ ・モラオ、ニーニョ・セベという3人のギタリスト。ボボーテ、トロンボ、ペレの息子ホセによるコンパス、グイトのパーカッション。気持ちいいコンパスが劇場中に満ちていきます。
Archivo fotográfico Bienal de Flamenco. Fotógrafa: Claudia Ruiz Caro |
そこへ登場したエル・ペレ。ビダリータをブレリアのリズムに乗せて歌います。ちょっと意表をついたこの感じ。悪くない。トレードマークのカンゴローのベレー帽に、白いベスト。
Archivo fotográfico Bienal de Flamenco. Fotógrafa: Claudia Ruiz Caro |
ダニ・デ ・モロンの伴奏でタランタ、そしてソレア。コンパスの回し方がいい。ダニ、モダンで、でもしっかり足が地についた感じの伴奏で聴かせます。音がキラキラしている。
ペレは強弱、アクセントの付け方が巧みで、外に向かって歌い上げるかと思うと自分の中へと歌いかける感じがあったりで、ダイナミック。
Archivo fotográfico Bienal de Flamenco. Fotógrafa: Claudia Ruiz Caro |
続く、ディエゴ・デ ・モラオの伴奏によるシギリージャが私的にはこの世の白眉。
ディエゴのシギリージャ伴奏は父と同じく、定評があるところだと思うのですが、この夜は特に素晴らしかった! クラシックな定番と現代風のフレーズが見事に溶け合って、カテドラルのような、壮大なシギリージャとなっていました。
シギリージャはシリアスな曲だけど、暗く歌う必要はもちろんなく、哀しみは内包しつつも、風格を持って歌い上げる。見事な見事なシギリージャでした。
Archivo fotográfico Bienal de Flamenco. Fotógrafa: Claudia Ruiz Caro |
タンゴののりが絶品。定番の昔ながらのメロディにもちょっと個性というか、アクセントつけるのがペレ流。ディエゴの音は味わいと風格。
Archivo fotográfico Bienal de Flamenco. Fotógrafa: Claudia Ruiz Caro |
マラゲーニャからアバンドラオ。
そしてカンシオン風ブレリア。ひと踊りもして見せてくれ、いやあ盛り上がる。最後はトロンボを引っ張り出して踊ってもらいます。
またまたのアンコールで短いブレリア。ここではボボーテがちょっと踊る。ゆっくりお尻を叩きながら引っ込んでいく。
と、こう書いてきても全然、昨日の良さは伝わっていないような気がします。
Archivo fotográfico Bienal de Flamenco. Fotógrafa: Claudia Ruiz Caro |
最後は再び、3人のギタリストが勢ぞろいしてアレグリアス。これがまたよかった。過去に彼が歌ってヒットした曲、例えばdelantalito de raya縞のエプロンやavante claro前進などを歌い上げる。気持ちの良いコンパス。
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そしてカンシオン風ブレリア。ひと踊りもして見せてくれ、いやあ盛り上がる。最後はトロンボを引っ張り出して踊ってもらいます。
拍手に応え帰ってくると、アンコールに応えファンダンゴ・デ ・ウエルバを続けていく。伝統的なものもこの人にかかるとなんてフラメンコなんだろう。
Archivo fotográfico Bienal de Flamenco. Fotógrafa: Claudia Ruiz Caro
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でもほんと、昨日のペレは本当に本当に素晴らしかった。ギターもコンパスも最高でした。幸せな気分で、口角上がったまま劇場を後にする嬉しさ。
やっぱフラメンコ好きだわ。
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