その一言に尽きる。
ピアノとダビ・ラゴスの歌によるマヌエル・デ・ファリャの『恋は魔術師』全曲を椅子で踊り、その時代のフラメンコ曲で色彩を加味する。
1時間弱なんだけど見応えたっぷり。
彼にはコンテンポラリーから何かを借りてくる必要がない。
彼自身が新しい方法をつくる。
彼自身がコンテンポラリーなのだから。
すごすぎて何から話せばいいのやら。
金髪に白いブラウス、黒の裾が広がったパンタロン。腰には鎖のベルト。
サングラスをかけて椅子にずっと座っている。
下手にピアノ。その横にマイクと譜面台。
イスラエル・ガルバン/エドゥアルダ・デ・ロス・レジェスは、サングラスを外し、ピアニストが来て演奏し始めると動き始め、踊り始める。
最初は赤い手袋で。
© Javier Fergo / Festival de Jerez |
そこにあるのは魔術。恋に悩み魔術へ走る。
ただただ音楽と詩だけを元に踊っているという感じ。
椅子に座ってサパテアードは、マリオ・マジャの得意技だったし、ファジャはグラナダにも縁があるので、オマージュの意味もあるかもしれない。
椅子に座っていてもさ、さ、と見せるポーズの完璧さ、凄さ、フラメンコ性。
思わずオレ!が出てしまう。
舞台の一角しか使ってないのに、劇場全体が揺れる感じ。
魔術。
© Javier Fergo / Festival de Jerez |
椅子から落ち、椅子の上で横になって、椅子の上に登り、踊る。踊り続ける。
恋の悩み、痛み、苦しみを、嘆く。
フラメンコの曲じゃないけど、イスラエルはずっとコンパスが一緒。
© Javier Fergo / Festival de Jerez |
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フラメンコの歴史が全部彼の中に入ってる?
© Javier Fergo / Festival de Jerez |
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なんだかよくわからなかった、という人もいるかもしれない。
でも、この人はレベルが違う、というのはわかったのでは。
そう違う宇宙の人みたい。
もう一回、いやもう二十回見てみたい。
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