2018年9月23日日曜日

トマティート「ビビレ」

マエストランサ劇場でトマティート。
タイトルが「ビビレ」と言われれば、そりゃ期待しちゃうでしょう。
1984年に発表されたカマロンのアルバムのタイトルなのですから。

今でこそ、ソロ・ギタリストとして活躍しているトマティートだけど、もともと、カマロンの伴奏者だった。それがソロになったのは1992年の彼の死ゆえ。
いや、その前にもソロコンサートは行ってるし、レコードも出していた。
でも、彼のベースはやっぱ伴奏。
ソロを始めた最初の頃はなんだか照れくさそうに弾いていて、歌が入ると俄然生き生きしたものだったよなあ、とか思い出す。

「ビビレ」の曲を全部やるのかと思ったら、そうではなかった。
全体を通して、トマティートとその仲間によるカマロンへのオマージュという感じ。

ずらっと並んだ六人の歌い手たちは左から、モレニート・デ・イジョラ、娘マリ・アンヘレス・フェルナンデス、娘婿サンティアゴ・コルティナス、ランカピーノ・チーコ、ドゥケンデ、アルカンヘル。真ん中にトマティート、息子ホセ・デル・トマテ、バイオリンのベルナルド・パリージャ、パーカッションのピラーニャ。
Bienal Óscar Romero
最初は「レジェンダ・デル・ティエンポ」
それも最初の最初はアルカンヘルがエンリケ・モレンテのバージョンで歌い始める。
曲調が変わってブレリアでの、カマロンのバージョンをドゥケンデが歌う。
鳥肌が立つような、凄みのある歌いっぷり。

トマティートのロンデーニャ、息子のタラントとギターソロ。
Bienal Óscar Romero

息子はまだ十代で、ギタリストとしてはまだまだな感じなんだけど、世間の若いギタリストがみんな音を詰め込んで駆け巡る感じなのとは対照的にゆったりと間をとって演奏するのは好印象。

ミシェル・カミロとの映画音楽「トゥーマッチ」は、舞踊に合いそうな感じ。
アレグリア、歌も入るブレリアと続きルンバと、彼のソロコンサートのメニューが続くが、後半はゲストの三人が順に登場し2曲ずつ。
ランカピーノ・チーコはアレグリアスとロサ・マリア。
ドゥケンデはタランタ/カルタヘネーラとタンゴ。
アルカンヘルはカナステーラとナナ・デ・カバージョ・グランデ。

ムイ・フラメンコなランカピーノ・チーコ、カマロンの歌い方に一番似ているドゥケンデ、声質も歌い方も全然違うアルカンヘル。
伴奏となるとよりリラックスして楽しそうに見えるトマティート。

カマロンの曲はフラメンコ好きなら誰でも知っている、馴染みのある曲だから客席も盛り上がる。
最後は昨日同様スタンディングオーベーション。
2時間近いけど、楽しかったです。

昼12時からはトレスミルビビエンダという、低所得者層が住む地区にあるアートセンターでのギターリサイタルもちょっと覗いた。
グラナダ出身のギタリスト、アルバロ・マルティネテ。技術がしっかりした28歳。
Bienal Óscar Romero

19時からはサンティアゴ・ララのリサイタルも行われた。
Bienal Óscar Romero


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