2018年2月27日火曜日

ヘレスのフェスティバル ラ・ルピ「パウラ」

マラガの踊り手、ラ・ルピの「ラ・パウラ」
ビジャマルタ劇場初登場のラ・ルピは、1971年マラガ生まれというから今年47歳になるベテラン。地元で学び、
カディスのアレグリアスのコンクールで2位になった2007年にマラガのビエナルで初めて見た。
その後、ラファエル・アマルゴのカンパニーを経て、ミゲル・ポベーダのツアーに参加し、全国区に。新宿のガルロチにも出演した。

1978年に亡くなった、晩年を精神病院で過ごしたパウラと言う実在のマラガの踊り手を主人公とした物語。

フラメンコで物語を伝えるのは難しい。今回もそれは例外ではない。

ゲストのフアン・デ・フアンのソロや、ルピとのデュオ、

© Festival de Jerez/Javier Fergo
やはりゲストのマリア・テレモートのサエタ。熱唱。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
 そして、告知されていなかったミゲル・ポベーダも特別ゲストで登場。もったいない。
© Festival de Jerez/Javier Fergo

精神病院で死んだ踊り手の物語、というのをわかっているから、最後衣装を脱ぐのは狂気の表現かな、と思えたけど、それでも自分で脱いで、その後恥ずかしがるとか、謎。
狂気だからなんでもあり?
客席から歌い手を登場させたり、一度幕を下ろしてその前でギターソロを聴かせたり、など、工夫してはいるのだけど、うーん、なんなんだろう。整理されていない感じ。



でも一番の問題は、彼女が私にとってフラメンカに見えないことなのだ。
フラメンコを踊っている。コンパスを外すわけでもない。
でも形がフラメンカぽくないのだ。
私にとっては、胸を開いた形がフラメンカなのだけど、彼女は正反対。
背が丸い。肩が内に入っている感じ。マリア・デル・マル・モレーノとちょっと似てる。

太っているからではない。太っていてもフラメンカな踊り手はたくさんいる。
コンチャ・バルガスやカルメン・レデスマ、マティルデ・コラル、故ファラオナ。
みんな太っているけど、胸をパーンと開いた美しい姿勢だ。
年を取ってきて背筋力が減り、背が丸くなるのと、ルピのはまた違う感じ。
もちろん、踊りのときは中へ入る瞬間もあるだろう。
そういう体だ、と言われれば、それまでだが、平面的な日本人体型でも、肩を後ろに少し引いて胸を開くように心がけるだけで、フラメンカな姿勢に見えるはずだ。

もう一つは、これも、これがマラガのフラメンコだ、と言われればそれまでなのだが、
スカートを高くあげたり、ちょっと下世話なニュアンス。
それがいい、という人もいるだろうが、私には下品で、くどく、わざとらしい。
長い長いレポンパのタンゴが特にそう。
セビージャの舞踊を見すぎて、セビージャの舞踊をフラメンコの規範としているせいかもしれない。






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