2017年2月27日月曜日

ヘレスのフェスティバル ラ・モネータ「ディビノ・アモール・ウマーノ」

グラナダ出身のバイラオーラ、ラ・モネータの新作「ディビノ・アモール・ウマーノ」は、ロルカがドゥエンデについての講演でフラメンキシマと評した聖女テレサをモチーフにした作品。
アビラのテレサ(テレジア)、イエスのテレサなどとも呼ばれる、聖テレサは、神秘主義で、宗教的恍惚の体験など、スペイン人なら誰もが知っている存在。その人生をたどる、というわけではなく、聖テレサの神秘体験をイメージとして使っている感じ。

白い衣装で現れ、聖テレサの詩を口にするモネータ。口跡が悪く、ほとんど聞き取れない。(スペイン人の友達も聞き取れなかったと言っていたので外人だからではないと思う)
詩を伝えたいならきちんと伝わるように朗読するべきでは?
踊り手が踊りながら語るべきものだったのか?と疑問満載。
Javier Fergo para Festival de Jerez

マラゲーニャ、マリアーナと、通常ほとんど踊られない曲を踊る。
モネータのフラメンカな踊りは大好きなのだが、うーん。これはどうなんだろう。聖テレサという人物像に縛られているからか、あの鉄火肌な感じのフラメンコが影を潜めている。同じような振りが繰り返される。

Javier Fergo para Festival de Jerez
 作品を作るには、ものすごいエネルギーが必要だ。
たくさんの仕事、たくさんのお金と時間を費やして作るのだから、多くの人に見てもらいたいと思うはずなのだが、この作品は一体どんな観客を想定して作られたのだろうか。

エレキギターのメロディでの恍惚のシーンでも、恍惚というより狂気しか感じられない。
Javier Fergo para Festival de Jerez
彼女が探していたドゥエンデは一体どこに行ってしまったのだろう。
Javier Fergo para Festival de Jerez
こういう作品の場合、イメージを整理して、観客に伝えるようにするためにも、やはり演出家が必要なように思う。フラメンコだけなら自分で、というのもありだけど、やはり専門家の手が必要だ。

ビデオはこちらから

なお、プログラムにはマッピングとあったのだが、実際は普通に少し映像が映し出されるだけなので、マッピングとするべきではなかったように思う。
また、足の甲を覆ってしまうタイプの靴は修道女をイメージしてのものかもしれないが、足が美しく見えない。また白い衣装も修道女のイメージなのだろうが、太って見えるので今の彼女には似合わないように思う。黒いガウンを羽織ってからや、黒の衣装の方が美しい。

〈b〉フエンサンタ・ラ・モネータ
〈c〉アロア・パロモ
〈g〉ルイス・マリアーノ、
エレキギター;パコ・ルケ
バイオリン;ジョリク・トロマン
コンパス&バイレ;ライムンド・ベニテス、マリア・ラ・マンサニージャ


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