2012年2月28日火曜日

ヘレス・フェスティバル2012 4日目夜 イスラエル・ガルバン「ラ・クルバ」



イスラエル!

もうこの人は天才とか鬼才とか
そんな言葉じゃぜんぜん足りない。

とにかくすごいのだ。


「ラ・クルバ」は2010年パリで初演。
すでにマドリードや
フランス、ニームのフラメンコ祭、
先週はセビージャのセントラル劇場でも上演している作品。

レブリーハの歌い手
イネス・バカンと
ピアニスト、
シルビィ・クルボアジェとの共演ときいて
数年前にやはりこのヘレスのフェスティバル、
サラ・コンパニアで初演した、
イネスとディエゴ・アマドールとの
「タブラ・ラサ」
をなんとなく思い浮かべていたのですが
いえいえ。
全く違う作品でありました。


下手にピアノ。
上手に積み上げられた椅子。
そしてテーブル。

ピアノの音が響く。
初めてイスラエルを見る人なら
現代音楽のパフォーマンス?
と思うかもしれない。
Foto;Javier Fergo


前衛的な音楽の中
イスラエルが踊る。

その動きの美しさ。
全てが完璧

上手のテーブル
ボボーテが机をたたいてリズムを取り
ソレア

ピアノがアバンギャルドなら
カンテはプリミティブ
大地の香りのやさしいカンテが身体にしみこんでくる。

ブレリア

テーブルの上に飛び乗り
踊り続けるイスラエル
テーブルを舟のように自由に操る

Foto, Javier Fergo

マルティネーテ

グラン・アントニオが重なる
たくさんのグラン・アントニオの映像が、画像が
イスラエルに重なる。

白い粉の上で踊る
粉が魔法のように広がる
Foto, Javier Fergo

セビジャーナスは椅子を首にかけて

Foto; Javier Fergo

この人の想像力はとどまるところを知らない。

ビセンテ・エスクデーロがイスラエルに重なる。
イスラエルがエスクデーロを踊る。

そう椅子の山は1924年
パリで椅子のピラミッドの崩れる音を真似て
サパテアードで
踊ったビセンテ・エスクデーロへのオマージュ。

最後はボボーテとデュオで。
ユーモアたっぷりに踊ってみせる。


昔ながらのフラメンコと
一見まったく違うもののようにみえながら
実はそのエッセンスにあふれ
フラメンコを知らない人までをも魅了する。
もしくは
拒否反応を示し早々に客席をあとにする?

イスラエルはいつもこちらになげかけてくる。


真の意味での芸術家がそこにいる。

2 件のコメント:

  1. あ~ん、悔しい!!!! SEVILLAで見逃しちゃいました…。すごくすごく悔しい。

    ビエナルでまたやってくれないかなぁ?

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  2. オリーブさん
     イスラエル、見るたびに驚かされます。めっちゃくちゃ新しいようで古い。前衛的なピアノとプリミティブなカンテをつなぐボボーテの存在も大きい!ビエナルで再演、期待したいですね。どうだろう。ビエナルのプログラム、フェリアのあとくらいには発表されるかな?

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