2025年2月27日木曜日

ヘレスのフェスティバル6日目ミゲル・アンヘル・エレディア、アルベルト・セジェス『トレムラ』

 今年から新しくフェスティバルの会場となったセントロ・ソシアル・ブラス・インファンテで地元ヘレスのミゲル・アンヘルと隣町サン・フェルナンド出身アルベルト、二人の歌うバイラオールの共演。

上手を向いたアーティストたちが順に歌っていくオープニングで、いやいや、歌い手よりうまいんじゃない?って思わせる二人だからこその舞台。コンセプト的には客席にいたマヌエル・リニャンの『ムエルタ・デ・アモール』をフラメンコに絞って縮小した感じと言っていいかも。で、とにかく二人とも歌がうますぎる。アレグリアスを歌い踊ったセジェス。息もきれずに見事に歌いながら、ってすごすぎる。

© Festival de Jerez/Tamara Pastora

そこからタンゴを歌ってミゲルに引き継ぐ。
© Festival de Jerez/Tamara Pastora

というふうに、テンポよく進んでいくのもいい。曲ごとにミュージシャンの位置を変えたりという工夫もあって、コンパクトながらきちんと考えて作られた作品だ。二人とも、自分の名前での公演もかつてサラ・コンパニアでやって新人賞もらっていたりするし、他のカンパニーでの公演にも出演するなど経験を積んでいるということもあるのだろうけど、こういうことがちゃんとできるのは素晴らしい。

フアン・デ・マリアとイバン・カルピオも彼ら二人をうまく支えて、これはこれでプロならではの歌を聴かせ、ギターのヘスス・ロドリゲスもソロを聴かせ、パタイータも披露するなど活躍。全てがいいバランスだったと思う。
アルベルトのタラント、
© Festival de Jerez/Tamara Pastora 

ミゲルのソレア、スパンコールのジャケットは黒だけどソレアの時はなくて、歌う時に着るとかでも良かったんじゃないかな、とは思う。あと彼に限らず黒いバックで黒い衣装だと見ずらいと思う。

© Festival de Jerez/Tamara Pastora

そしてミゲルが歌うシギリージャをアルベルトが踊る。いやいや、ミゲルのシギリージャの歌、絶品。

© Festival de Jerez/Tamara Pastora

最後はミゲルお得意の歌謡曲ポル・ブレリアで盛り上げて、1時間ちょっとショーは終了。

会場が公民館というか講堂というか、もともと劇場として作られていないようで、間口は広いけど周りの壁が白というのも後ろの方から見ていると気が散る感じもあるし、、前の方は傾斜が少なく、舞台が低いので足元は一番前じゃないとほぼ見えなかったり、とか色々マイナス面も多い会場でよくここまで作ってやり切りました。音響が爆音で耳栓なしではいられなかったのは残念だったけど、これも会場のせいなのかな?

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