2024年3月1日金曜日

ヘレスのフェスティバル番外編3オフ・フェスティバル『ディアグノスティコ・フラメンコ・ラ・ノチェ』

ラ・グアリダでのオフ・フェスティバル。17時からなのでまだ外は明るく、日本で言えば昼下がりの感覚。
プログラム発表当初、公演タイトルだけで出演者名が記載されておらず、途中で追加された名前を見て、びっくり。なんとここにも日本人アーティストが。それも、ヘレスのフェスティバル初の日本人オフィシャル公演出演者であり、それ以前もペーニャで踊るなど、ヘレスとは長い付き合いの佐藤浩希とその門下の中里眞央がアントニオ・マレーナと共演。これは観たい。

トップバッターは中里。タンゴ。ヘレスで歌うことにプレッシャーもあったとは思うのだけど、声がよく出ている。
そしてシギリージャ。写真で見ても顔つきが違うのがお分かりだろう。曲のキャラクターが表情にも出ているのはいい。
ただ、これだけ歌えるのなら、声のボリュームや調子のコントロール、センティード、方向性の違いの歌い分けなども欲しくなってくる。はっきりした発音で聞き取りやすいし、それが悪いわけではないのだけど、こういう気持ちを伝えたいという心の方が、歌詞をちゃんと聴かせると言うことよりも重要にみるようなことがあってもいいように思う。朗々と歌い上げるだけでなく。上手な人にはどんどん要求したくなってくるのは私の悪い癖ですが。ごめんよ。

アントニオ・マレーナがソレアを歌い始め、カンテソロだと思っていると佐藤登場。





シリアスな表情で踊ってる、これは…と思ったら
ふとした瞬間に笑顔がこぼれる。ブレリアになる前でも。大好きなヘレスで大好きなフラメンコを大好きな人たちのサポートで踊るのが楽しくてしょうがない、と言う感じ。
フアン・デ・マリアはカンテソロでカンテ・デ・レバンテとカンティーニャ。カマロンの歌った歌詞が多いってことはそれだけ好きなのでしょうね。

アントニオが歌うマルティネーテからの


シギリージャ。片方の裾が長いジャケットで。長めのジャケットやベストを着る男性舞踊手は最近多いけど、女性のように衣装のバリエーションが多くない男性にはいい工夫だと思う。スカートのように裾を摘むとかもできるし、回転の時になびくかんじも悪くない。

若手だと思っていた佐藤もいつの間にかベテラン。経験を重ねて風格みたいなものがでてきていて、軽妙さとのバランスが面白いと思う。

はい。フィン・デ・フィエスタでもはじけていました。パルマ用の低いマイクで歌うふりをしたり、こう言うユーモアもフラメンコには大事。
最後は見にきていたマリア・デル・マル・モレーノも舞台に上がり、華を添え、閉幕したのでありました。

昨日の小林亮の公演といい、この公演といい、スペインのアーティストたちとの、一朝一夕ではない関係があってこその成果なのだと思う。フラメンコたちはフラメンコの価値を認め、フラメンコに敬意を払い、フラメンコを愛し、懐深く飛び込んできた人たちに、惜しみなく与えるのだと思う。フラメンコ自体が贈り物のような気がしてきました。

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