2023年3月11日土曜日

へレスのフェスティバル15日目ダビ・コリア『ロス・バイレス・ロバードス/ワーク・イン・プログレス』

ダビ・コリアは間違いなくスペイン舞踊の未来を切り開いていくリーダーの一人。



© Festival de Jerez/Esteban Abión

そう改めて確信させるような公演だった。ワーク・イン・プログレス、すなわち、作品作りの一過程を見せる舞台だったわけだが、7月7、8日にセビージャのイタリカ舞踊祭で初演予定という本作品を早く見たいと思わせる素晴らしいものだった。

4人の男女が、マティスが描いたダンスをおもいださせるような動きを見せるオープニング。手を繋ぎ、動きがつながっていく。フラメンコでもおなじみのスペインのポピュラーソング、エル・ビートが低く流れる。

© Festival de Jerez/Esteban Abión

音楽は民謡、現代音楽、フラメンコと様々で、舞踊もフラメンコのテクニックは使っていても、フラメンコの曲を普通に踊るわけではないから、フラメンコを見に来たつもりの人には違和感があるかもしれないけれど、全体がバラバラなようで統一感がある。一つの舞踊作品として製作途上にもかかわらず、すでに完成されている感。

あー、早く全部が見たい!

なお、照明はグロリア・モンテシノ。今年のフェスティバルではラファエラ・カラスコやマルコ・フローレス、オルガ・ペリセなどの作品を手がけている名人。この会場は照明機材がLEDなのだが、他の公演のようにしろさを感じさせない、暖かな作りで素晴らしかった。作品にとって照明ってすごく大切、と改めて感じさせられたことでした。


© Festival de Jerez/Esteban Abión

16世紀初めに起こった舞踊の伝染病をヒントにしていると記者会見で語っていたけれど、なるほど。前作『ファンダンゴ』やエステベス&パーニョスの『春の祭典』を思い起こさせる雰囲気で、田舎が舞台というイメージなのだろう、アロスノの民族音楽舞踊、ファンダンゴ・パラオが顔を出したりもする。それに頭に大きなふわふわをつけるなど仮装のようなものも加わりカーニバルや祝祭的な要素もある。

ダビ・ラゴスの歌が絶品で、録音じゃないかと疑いたくなるくらい、一時たりとて音もリズムはずサス、朗々と歌い、フアンのサックスや角笛などが雰囲気を作り上げる。

 

© Festival de Jerez/Esteban Abión

© Festival de Jerez/Esteban Abión

© Festival de Jerez/Esteban Abión

© Festival de Jerez/Esteban Abión

© Festival de Jerez/Esteban Abión

早く続きが見たい作品だ。

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