2022年3月4日金曜日

ヘレスのフェスティバル15日目エル・チョロ『♯シディオスキエレ』

 

©Javier Fergo Festival de Jerez 
ウエルバ出身のエル・チョロの新作は、パトリシア・ゲレーロの作品などの演出で知られるフアン・ドローレス・カバジェーロが監督。

椅子だけの舞台にギタリストがやってきてチューニングするとこから始まる、などの構成、演出は演出家によるものなのだろう。物語はない。記者会見で「フラメンコを踊る喜びを伝えたい」と言っていた。

最初はファンダンゴ・デ・ウエルバ、一つ目は動かず、二つ目はマルカールし、三つ目は足を入れて、と変化をつけて踊っていくのは悪くない、と思ってたのだが、続く椅子に座って始めたカーニャや、ハーモニカとのガロティン、タランタの歌に続く長い長いソロ・デ・ピエからのタラントと、フラメンコ曲を普通に踊るのではなく、バラバラにして再構築してる感じ。

パワフルなアレグリアス、速いテンポのシギリージャ、ブレリア。

ああ、ここはもうちょっと足を引いた方が綺麗なのにな、とか、ここは肩を入れた方が、とか、回転の後の手は少しゆっくりの方が余韻が、などと、思ってしまう。振りがぶっきらぼうというか、味わいに乏しいのだ。それが彼のスタイルと言えばそうなのかもしれないけれど、そういった細かいところとか、演出でプラスできなかったのかなあ。なんか一本調子に見えてしまうのであります。飽きる。

男性は女性に比べて衣装に変化がつけにくいせいか、長めのジャケットなどで工夫もしていたのだけど、やはり難しいですね。男性がバタやマントン使うのが流行るのもわかる気がする。

1時間以上、ずっと舞台にいて踊り続けたのはすごいし、たくさんの努力があるのもわかる。それには拍手。でも舞台を見てときめいたり、いろいろ考えたりすることが好きなわがままな観客である私にはちょっと物足りない、そんな感じです。

ビデオはこちら

ビデオで見てて思ったのだけど、靴音が均一で、アクセントが乏しいのも一本調子に見えてしまう原因かも?


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