2020年1月13日月曜日

フランス、ニームのフラメンコ・フェスティバル/ダビ・ラゴス


あっという間に2020年。
1月恒例、フランスはニームのフェスティバルにまたまた出かけて行きました。
セビージャからリスボン経由でマルセイユ。
それでもマドリードに行く電車代よりも安い。


初日。すでにお昼に講演があったとのことですが、それには間に合わず、でも写真展の開会には間に合いました。ホセ・ラマルカ『エンクエントロス』

パコ・デ・ルシアとカマロン・デ・ラ・イスラ。
レコードジャケットのために撮影された写真たちを中心に。
どこかで見たことのある写真が大部分なのだけど、同じ撮影での違うショットでのちょっとした表情など、見応えがある。
何より、印刷やデジタルサイトでは見えてこないものが見えた感じがして感動。
「私は商品を撮影する写真家だから」
と本人の弁。でもその商品に愛があって、良い面を引き出そうとしているのが、その他の写真との大きな違い。うん、結局は愛なのですよ。


なおフェスティバルのオフィシャルの公演の開幕はこの日から。
旧市街からちょっと離れたパロマというコンサート会場が舞台。
客席の平均年齢は高い。若い人が集まりそうな会場なのにね。

第1部はマリオラ・メンブリベスが歌うロルカ。
ポピュラー歌手がフラメンコも勉強しました〜的な?
2台のエレキギターはジャズロック系。それにトロンボーン。
3人のまとまりもなくうるさいだけのギター。エンリケ・モレンテのオメガ収録曲も歌うんだけど、カラオケ的な? でつまんない。
だいたい、自分のリサイタルで、譜面台置いてるのって何? 歌詞覚えてないん?


Festival Flamenco de Nimes ©Sandy Korzekwa

こういうジャンルの音楽もあるのかも。
で、だとしたら、それについてはスペシャリストじゃないから何も言えないけど、フラメンコの目と耳からすると、なんじゃこれ、音程とリズムはあってるかもだけど、さー。
フラメンコはかじったくらいで新しいことはできないんじゃないかな。
自分がすごいか、周りがすごいか、少なくともどっちかがなくちゃ。
と思います。



休憩を挟んで、ダビ・ラゴス『オディエルノ』
現在の、という意味。
一昨年のビエナルで初演し、昨年CDもリリースした作品。
これはすごかった。面白かった。

Festival Flamenco de Nimes ©Sandy Korzekwa


下手には大きな机、その上にMac。で陣取るのはダニエル・ムニョス。
これまでにもエステベス&パーニョやアンヘル・ムニョス
その横にはサックスのフアン・ヒメネス。
イスラエル・ガルバンとの共演でおなじみ。専門は現代音楽。

Festival Flamenco de Nimes ©Sandy Korzekwa

そして上手側にはアルフレド・ラゴス。

Festival Flamenco de Nimes ©Sandy Korzekwa

この4人で紡ぎだしていくのは紛れもない21世紀のフラメンコ。
イスラエルの『エダ・デ・オロ』のカンテ版的な感じもある、カーニャやソレア、ロンデーニャ、マラゲーニャなどの曲種のつなぎ方も面白い。
とにかくダビの圧倒的な声の力があるから、ダニエルのエレクトリックミュージックやフアンの現代音楽的なフレーズが来ようと、フラメンコ性は揺るぎもしない。
サックスは時に尺八、時に角笛のように響く。なんだろう、と思ったら、サックスの上の、口の部分だけで歌うように吹いたり。面白い。

Festival Flamenco de Nimes ©Sandy Korzekwa


エレクトリックミュージックというと、ダンスミュージック?と思う人が多いかもだけど、そうじゃなくて、コンピューターを駆使して、パーカッションとして使ったり、ダビの声を録音してループにして、それをまたいいタイミングで落とし入れたり。これも面白い。

アレグリアス、「恐怖をを売ってる」と歌うプレゴン、そしてリビアーナ。
マリアーナのアルフレドの伴奏の素晴らしさ。

いやあ、良かったです。
CD買ってこよう。

フラメンコってまだまだいろんな可能性がありますね。





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