2018年8月20日月曜日

梶山彩沙enビジャロサ

マドリード、サンタ・アナ広場。
国立劇場、テアトロ・エスパニョールやヘミングウエイが通ったという老舗バルを始め、沢山のバルやレストランのテラス席が並び、かつては闘牛士のホテルと知られたモダンな高級ホテルがそびえ立つ。
その一角、ホテルの並びの角にあるのがタブラオ、ビジャロサ。
美しいタイル画で飾られた外壁を観光客が撮影していく。

その昔はコルマオと呼ばれる居酒屋で、フラメンコの歴史に残る歌い手達が夜毎フエルガで歌ったのだという。それが時代を経てタブラオとなり、その後、セビジャーナスバルやディスコとなり、再びまたタブラオとなったのは10年くらい前だろうか。
元スペイン国立バレエ団で、岡田昌己舞踊団公演で来日したこともあるジョナタン・ミロが芸術監督を務め、踊り手3人にギタリスト、歌い手と少数精鋭でショーを見せる。



また18歳から26歳までの若手舞踊家を対象にしたコンクールを行っており、その入賞者はタブラオに出演することができるという。
昨年12月、そのコンクールで見事優勝を飾った梶山彩沙が、そのご褒美として、8月、1週間にわたって出演した。前半はマヌエル・リニャンやジョナタンら、コンクールの審査員を務めた面々とも共演したという。
私が出かけた土曜日は、ピノ・ロサーダのアラブ風なソロに始まり、


昨年のウニオンのコンクールの準決勝出場者、バネサ・コロマのソレア・ポル・ブレリア。黒いスカートに白いブラウスという衣装は、セビージャのタブラオだとまずない感じで、かえって新鮮。


そして梶山のバタ・デ・コーラでのアレグリアス!



バタの技術もしっかりしてるし、体のこなしが素晴らしい。芯がぶれない。
何よりいいのは気負うことなく自然体で、フラメンコを踊っていること。
スペイン人の真似ではなく、自分のフラメンコになっている、という感じ。
歌やギターにしっかり反応していたり、ナチュラルにフラメンコなのだ。
おきゃんで、江戸っ子のべらんめえ調というか、鉄火肌な感じもあって気持ちがいい。
スペイン人の中に日本人一人ということを全く感じさせない。
3人のフラメンコで、その中の個性の中に日本人というエッセンスが少し入っている、という感じ、といえばわかってもらえるだろうか。
観客もバネサへのに劣らぬ、盛んな拍手をおくっていた。
花が落ちそうになったりするアクシデントはあったものの、そういうのはピンの数増やすとか、いろいろ避けるためにできることがあるだろうし。また観たい。

3人目のホセ・マルドナードも昨年のラ・ウニオン準決勝進出者で、決勝進出ならなかったのが理解できないほど、私的には昨年一番良かった人。リニャンの作品「レベルシブレ」で、紐を使った場面での踊りは今も印象に残っているし、今年はヘレスのフェスティバルでフラメンコナウタで帽子を使ったソロンゴで楽しませてくれた。
今日はシギリージャ。

やはりジャケットでちょっと遊ぶようなところもあり、ニヤリ。
最後ブレリアとかせずにシギリージャだけで終わるのも潔い感じ。

3人だけなので、あっという間。最後は全員でブレリア。
久しぶりのマドリードのタブラオ、楽しかったです。
老舗でじっくりもいいけど、気軽に楽しむのもいいよね。





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