7月7日、七夕の日に、コルドバのローマ橋のたもとにあるカラオラの党の下の特設舞台で行われたベニート・ガルシア舞踊団公演「標」
愛に溢れた、素晴らしい舞台だった。
1977年コルドバ生まれ。1994年小松原庸子に見出され、99年から日本を本拠に活躍するこのダンサーの故郷コルドバへの愛、家族への愛、フラメンコへの愛、日本への愛。それが日本人ダンサーたちのフラメンコへの愛、師への敬愛、ミュージシャンたちのベニへの敬意と同志愛、観客たちのベニへの、その生徒たちへの優しい思い。すべてが一体となって作り上げられたこのひととき、この場にいた人はきっと忘れないだろう。
オープニング、サパテアードから
音楽監督を務めたリキ・リベラのギターソロのグアヒーラも
続くバタ・デ・コーラの二人を含む群舞でのアレグリアスも
続くソレアも
アラブ楽器、ウードとカヌーンを使ったインストゥルメンタルも
タラントも
ベニの思いが詰まったソロのファルーカも。
群舞の衣装や彼の衣装の一部に着物がアレンジされていたり、最後は着物を羽織って踊るなど、日本への思いも強く感じられた。遠くにいても忘れたことはない故郷と今や自分の一部ともなっている日本。二つの故郷に引き裂かれそうになりつつもフラメンコへの大きな愛で生徒たちを育んでいく。
そしてその生徒たちは、きっと大変な稽古をしてきたのだろう。表情も含めて表現しようという意欲にあふれ、“今この時” を全力で楽しんでいる。
構成も音楽も振付もきちんとしていて、ひやかし気分できたとしたら度肝を抜いたに違いない。
ベニさんおめでとう。あなたの愛は、コルドバにも、フラメンコにも、生徒たちにも、きちんと伝わっています。
追記
群舞、と書いたけど、舞踊団メンバーはそれぞれが主役!という感じで、本当にいい顔で踊ってました。ベニが考え抜いたであろう、どんどん変わっていくフォーメーション、計算された静止ポーズ、掛け声、歌…。全心全力で向かって行って勝利をつかんだ、という感じ。
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