いよいよ公開のドキュメンタリー映画「サクロモンテ」
いやあ、面白かった。
スペイン生活足掛け30年の私ですが、実はグラナダはそんなに知らない。
洞窟フラメンコは何度も見に行ったし、劇場や野外公演はグラナダで何度も見てる。
フィエスタに入れてもらったこともないわけではないんだけれど。
でもそれはいつでもお客さんとしてで、生活してるのとは違う。グラナダのフラメンコの中に入り込んだことはなかった。
ということもあって、サクロモンテのフラメンコを支えてきた人たちと、サクロモンテのフラメンコに関わった人たちの証言をとても興味深く見ることができた、のかな、と思う。
トレイラーを見ていると、インタビュー中心のように思えるのだが、実際は結構たくさんフラメンコの踊りや歌がちりばめられているので、昔語りにあまり興味のない人でも楽しめることだろう。
インタビューの中から浮き上がってくるのは貧しかったヒターノたちの暮らし。その中で生活のために踊り続けてきたアルティスタたち。踊ることが好きというのはもちろんだが、やはりお金は大切。
だいたいフラメンコの歴史のはじめ、だって、最初は仲間内で楽しんでいた、その歌や踊りをお金を出してみたいという人がいて、一つのアルテ、芸術として成立したわけだし、ね。お金あってのアルテ。アルテの進展にお金は欠かせない。お金をもらい、生活が安定することによって、その技も磨かれる。専心することで成長する。
んだけど、お金のことをいうのは品がない、というよう考えもあり、難しい所なわけです。
でも、それは持ってる人の話で、持ってない人にはなりふり構わず、の必要もあるわけで。
ほんのすこし前まで、グラナダの洞窟フラメンコに行くと、ヒターナのおばちゃんがやってきてアバニコやらおもちゃのカスタネットを売ろうとしてきたもんだ。あれも、すこしでも稼いで、ということだったんだよね。今はそんな押し売りはない、と思うけど、ね。
そして証言のなかで、観光客が喜ぶから、というのもあるのか、舞台で子供が最後スカート捲りした云々、健康なエロも印象的。
生命力の強さ、なのかも。
病気や愛する人の死など、いろんなこと、あったけど、今ここに生きている。
そんな人生が、生命力がフラメンコの根本だよなあ。
というのは私の感想。
見る人それぞれにいろんなこと考えさせられるに違いない。
オススメです。
個人的にはチョンチ・エレディアの一節がグッと来た。パコ・デ・ルシアのグループで活躍してた彼女。ブレリアやタンゴのイメージが強いのですがイヤイヤどうして
http://www.uplink.co.jp/sacromonte/
0 件のコメント:
コメントを投稿