2016年8月7日日曜日
ラ・ウニオン2016/「エテルノ・カマロン」
ラ・ウニオン3日目の公演は「カマロン・エテルノ」
1992年に夭折した天才カンタオール、カマロン・デ・ラ・イスラをしのぶ作品。
カマロンの娘、ヘマが彼についての言葉を朗読し
ペドロ・エル・グラナイーノやコーラスがカマロンの名曲をうたいつづり、
エル・チョロとメルセデス・デ・コルドバの踊りをそれを彩っていくという構成。
夜の海の映像をバックにしてペドロが歌う「ナナ・デ・カバジョ・グランデ」にはじまり、チョロのソロではじまりそこにメルセデスが加わるアレグリアス、ルンバ、ブレリア、チョロのシギリージャ、メルセデスのソレア・ポル・ブレリアなど、カマロンが歌ったレトラが次々に登場する.カマロンをきいて育った世代にはなんともうれしい作品だ。
ある意味、ABBAの名曲を並べたミュージカル「マンマミア」的で、観客が思わず口ずさんでしまうような感じ。
きくところによると初演したときは芝居が多く、学芸会的だったらしいのだが、ハビエル・ラトーレが振付で加わって格段によくなったようだ。
グラナイーノはカマロンをカマロン風に、カマロンに寄せようとするすることなく彼の歌い方で歌い上げる。その古いフラメンコのような響きのある声、メロディのおとしかた、間合い、などがムイ・フラメンコで、カマロンの楽曲の魅力を改めて思う。
とくにファンダンゴは圧巻。 彼の歌声を堪能するだけでも価値がある。
よりカマロン的な、たとえばホセ・パッラやドゥケンデなどではなく、グラナイーノをつかったことはこの作品の成功の理由のひとつだろう。
冒頭のナナ以外にも「レジェンダ・デル・ティエンポ」や最後の「ボランド・ボイ」、アンコールでバックにかかる「ソイ・ヒターノ」など、ポピュラーな曲がおおいのも一般ファンにやさしく、ドラマのない、楽しい“フラメンコ・ミュージカル”に仕上がっている。
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