アンドレス・ペーニャの新作「オルダゴ・ア・ラ・グランデ」
大きい方に全部賭ける!
というカジノでの決まり文句をタイトルにした作品。
最初に踊ったビダリータはエバ・ジェルバブエナの振付けという。
椅子をつかったあれこれ。
コンテンポラリー風の動きなど
エバの作品「アイ!」と対をなすようにもみえる。
アンドレスはエバの舞踊団旗揚げのときのオリジナルメンバー。
そんなこともあってのことだろうか。
ただ私が思うにアンドレスは(エバもそうだけど)フラメンコの踊り手で
コンテンポラリーの踊り手ではない。
フラメンコにコンテンポラリー的な動きを取り入れることはもちろんありだけど
それにはそれなりの勉強も必要だし向き不向きもあると思うのだ。
私にはアンドレスにこういったタイプはあわないように思われる。
フラメンコを踊っているときのように生き生きしていないのだ。
シギリージャ、カンテだけのアレグリアス、ファンダンゴ、
タンゴス、カーニャ、 アバンドラオ、ソレア、ブレリア
ヘスース・ゲレーロのギターと
ロンドロ(この夜も絶好調)、ミゲル・ラビ、ダビ・カルピオ、ホセ・アニージョ
4人の歌い手たちをバックに踊る彼は素晴らしい。
サパテアードやニュアンスにフラメンコのエッセンスを感じる。
最後はアンドレスが舞台に横たわって歌うナナ。
寝て歌う子守唄ははじめてみた。
真っ黒いバックに黒い衣装でエバのような作品になったがその演出こそが彼の敵。
彼の良さがいきてこない。
音響もバランスが悪く、照明も黒をきちんとみせていない。
衣装もそうだ。
なぜシャツでなくぴったりしたTシャツのようなものなのだろう。
せっかくのアンドレスの魅力を殺してしまった演出だが
彼と奥さんのアイデアで演出家がいないのでこれは自業自得?
それにしても惜しい。
あまりにも惜しい。
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