ビエナルにメインのアーティストとして2回目の登場
これはかなり珍しいこと
現在のビエナルは基本的にアーティスト側がだした企画から
フェスティバル側が選んでいくというかたちが基本のため
これは2本の企画をだしそれがそのまま通ったという希有なケースになる。
ウエルバ生まれのラファエル・エステベスと
コルドバ出身の・パーニョス
この二人がストラヴィンスキー「春の祭典」に取り組んだのが
この「コンサグラシオン」
(春の祭典のスペイン語タイトル、コンサグラシオン・デ・プリマベーラより)
「春の祭典」というとニジンスキーの振付けのバレエ・リュスだが
バレエ・リュスといえばフラメンコを取り入れた「三角帽子」を上演し
これが今あるバレエ・フラメンコ
つまりフラメンコ舞踊団やフラメンコ作品につながっているわけで
これに取り組もうとした二人が研究していく上で
生まれたのがこの作品。
Antonio Acedo |
第1部はフラメンコ
トリージャを中心にアンダルシアの畑で働く人々を描く
小麦を刈る動きや労働に疲れて眠る姿。
休みに楽しむフィエスタ・フラメンカ。
馬やラバをつかって畑を耕したり
小麦をひいたり
そのかたちをたくみに表現していく。
フラメンコだけでなく民族舞踊の歌や踊りもとりいれている。
ゲストのアントニオ・カナーレスとラファエルが踊るタンゴが秀逸
Antonio Acedo |
またコンテンポラリーのアントニオ・ルスとラファエル、ナニのからみもいい。
休憩をはさんで
第2部は「春の祭典」
第1部でみせた動きが複雑なストランヴィンスキーの曲の中で躍る。
拳を振り上げて立ち上がった農民たちが
黒の軍団の重厚の前に倒れて行く。
とあらすじで語ってしまうとあっけないのだが
曲以上に複雑な振付けと群舞の圧倒的な力は
Antonio Acedo |
ベージュや茶系をベースとした衣装や
その淡いトーンをいかすひかえめながら進行を助ける美しい照明などに
サポートされ観る者を圧倒する。
国立バレエやアンダルシア舞踊団なども凌駕する、
この実力派集団の作品が
各地の舞踊フェスティバルで公演されることを祈ってやまない
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