2012年3月6日火曜日

ヘレス・フェスティバル2012 11日目夜「ムダンサス・ボレーラス」

今年のフェスティバルのプログラムの中で
最も観たかった作品のひとつ。
 スペイン古典舞踊ともいうべき
エスクエラ・ボレーラの作品。
スペイン国立バレエ団「ダンサ・イ・トロニオ」
アイーダ・ゴメス舞踊団「ペルミタメ・バイラールテ」
など、
フラメンコに比べると圧倒的に観る機会が少ないものだけど、
足を高く上げたり、ジャンプしたり、
クラシックバレエのテクニックと
カスタネット。
私が愛してやまない舞踊のひとつだ。

1812年、1912年、2012年と
舞踊の発展を映していく、
とプログラムにある。
カチューチャの誕生から
ペリセによるレパートリー、
そして現在。
いったいどんな舞台に、と期待は高まる。

オープニングはスモークがいっぱいにたかれて
戦ににげまどう男女が描かれる。
1808年から1814年のスペイン独立戦争だ。
サパティージャ、つまりバレエシューズの2カップルによる踊り。
カディスの劇場で踊られたというボレーラを示しているのだろう。
舞台奥を客席にみたてお辞儀。
そこから楽屋?スタジオ?での舞踊が続く。
トゥシューズをはいてきたのはフランス娘で
ヨーロッパでの、カチューチャなどの
スペイン舞踊的バレエの流行と関連するのだろう。

Foto; Javier Fergo
振り付けをてがけたフランシスコ・ベラスコがチーフで、
クラスを行ったり、
酔っぱらって夢をみたり、
という小芝居の合間に、
ファンダンゴ、
パナデーロ、
エル・ビート、
18世紀のセビジャーナス…
男女のペアで、
ソロで、
男性2人で、
女性2人で
とフォーメーションをかえ踊りは続く。
衣装は変わらず。

Foto; Javier Fergo
音楽は18世紀の音楽に想を得て作曲したもの、
というが、これがどうにも、美しいとは言い難い。
当時の音楽を現代的にしたというのだろうか。
バックが黒で全体に薄暗いのも気になる。
個人的にボレーラには
華やかで明るいイメージをもっていたのだが。
当時の光の再現?
ならなぜ音楽はモダンに?
パーカッションやマリンバ、アコーデオン。
録音の音楽なのにきれいにきこえないのも気になる。
制作者にきけば
ひとつひとつに意味があるのかもしれない。
でも結果的には
単調で小芝居が鼻につく暗い舞台という印象。
踊りのかたちは美しいのに


なんかくやしい。

最後は白い衣装に着替え、
エスクエラ・ボレーラのテクニックをつかった現代のダンスを。
古典を、伝統を守るだけに限定されない、
エスクエラ・ボレーラの新しい可能性をさぐる、
意欲的な試みだ。

Foto; Javier Fergo

同じ作品を、ぜひ、オリジナルの音楽でみてみたい。

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