2024年3月28日木曜日

グラナダのフェスティバル

 グラナダのフェスティバルのプログラムが発表されました。

アルハンブラ内の野外劇場やカルロス5世宮殿を始め、市内各所で行われるコンサート。フラメンコ公演もたくさんあるので、6月から7月にかけてグラナダを訪れる人はぜひ、公演にも。人気なので前売り県購入が必須です。前売りは4月4日開始だそうです。




◇第73回グラナダ・フェスティバル(国際音楽舞踊祭)

6/7(金)~7/14(日)※フラメンコ関連公演のみ

6/8(土)22時30分『ヘネラシオネス』

[出]〈b〉スペイン国立バレエ団

[場]グラナダ アランブラ内ヘネラリフェ劇場

6/18(火)21時30分

[出]〈b〉イスラエル・ガルバン、ベンハミン・アラルド

[場]グラナダ オスピタル・レアル内パティオ・デ・ロス・イノセンテス

6/20(木)22時30分『ウニベルソ・カディス』

[出]〈c〉ダビ・パロマール、〈g〉ルベン・ララ

[場]グラナダ パラシオ・デ・コルドバ

6/21(金)21時『ノスタルヒア・アニャディダ』

[出]〈c〉モンセ・コルテス、〈g〉マヌエル・ペラルタ

[場]グラナダ 市立音楽堂チュンベーラ

6/25(火)22時30分『ブエラ』

[出]〈b〉サラ・バラス舞踊団

[場]グラナダ アランブラ内ヘネラリフェ劇場

6/27(木)21時30分『カイダ・デル・シエロ』

[出]〈b〉ロシオ・モリーナ、〈g〉オスカル・ラゴ、〈c〉キコ・ペーニャ、〈perc〉オルーコ、パブロ・マルティン・ジョーンズ

[場]グラナダ イサベル・ラ・カトリカ劇場

6/28(金)21時『プロ・イ・サルバヘ』

[出]〈c〉エル・ペレ・〈〈g〉〉ニーニョ・セベ

[場]グラナダ 市立音楽堂チュンベーラ

6/28(金)22時30分『血の婚礼』『フラメンコ組曲』

[出]〈b〉アントニオ・ガデス舞踊団

[場]グラナダ アランブラ内ヘネラリフェ劇場

7/3(木)22時30分

[出]〈c〉エスペランサ・フェルナンデス、〈piano〉チャノ・ドミンゲス、〈perc〉ミゲル・フェルナンデス

[場]グラナダ パラシオ・デ・コルドバ

7/5(金)21時

[出]〈c〉キキ・モレンテ、〈g〉カルロス・デ・ハコバ

[場]グラナダ 市立音楽堂ラ・チュンベーラ

7/12(金)21時

[出]〈c,g〉クリスティアン・デ・モレ

[場]グラナダ 市立音楽堂ラ・チュンベーラ

[問]https://granadafestival.org



2024年3月21日木曜日

第10回ロルカ賞、第9回マノロ・サンルーカル国際フラメンコ賞

 アンダルシアの舞台芸術アカデミーによる第10回ロルカ賞の授賞式が3月20日セビージャのセントラル劇場で行われました。

フラメンコ舞踊では

作品部門マリア・モレーノ『o../o../.o/o./o. ( ソレア) 』マヌエル・リニャン『ピエ・デ・イエロ』のに作品同時受賞

振付部門 マヌエル・リニャン『ピエ・デ・イエロ』

女性舞踊家部門 マリア・モレーノ

男性舞踊家部門 マヌエル・リニャン


また舞踊部門で作品賞にクリスティアン・マルティン(ダニエル・ドーニャのパートナーでともに志摩スペイン村の新しいフラメンコショーの振り付けを手がけた)のプロジェクト・ランサ『アクト1ルガル・デ・エンクエントロ』クリスティアンは男性舞踊家賞も受賞。



また、19日にはアンダルシア・フラメンコ学校によるマノロ・サンルーカル国際フラメンコ賞の今年の受賞者が発表されました。受賞者は以下の通り。

カンテ ホセ・デ・ラ・トマサ

バイレ マリア・パヘス

ギター ぺぺ・アビチュエラ

キャリア マリア・バルガス

ペーニャ アルメリア、エル・タラント

コミュニケーション ホセ・マリア・カスターニョ

楽器 チャノ・ドミンゲス

衣装 ラケル・レブエルタ

研究 ファウスティノ・ヌニェス

新人 ダビ・デ・アラアル

フラメンコ祭 カンテ・デ・ラス・ミーナス祭

映画 ゴンサロ・ガルシア・ペラジョ

タブラオ セビージャ、ロス・ガジョス

レコード カンバジャ・レコード

プロモーション ミゲル・マリン

教育 グラナダのマリキージャ

なお、授賞式は今年11月16日、フラメンコの日にカディス県サンルーカルで行われる予定

ヘレスのフェスティバル2024各賞発表

ヘレスのフェスティバル各賞が発表されました。

観客の投票によって選出される観客賞、ジャーナリストら専門家によって選出される批評家賞はアルフォンソ・ロサ&パトリシア・ゲレロの『アルテル・エゴ』、

©︎Esteban Abión/Festival de Jerez

新人賞はフアン・トマス・デ・ラ・モリア、
©︎Esteban Abión/Festival de Jerez



ギター賞はチクエロ(トレス・ピエサス)
©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez



作曲賞は『アルテル・エゴ』のギタリスト、フランシスコ・ビヌエサ

©︎Esteban Abión/Festival de Jerez


受賞者の皆さんおめでとうございます。






2024年3月20日水曜日

マヌエラ・カラスコらが芸術大学教授会名誉会員に


 3月19日、マドリード近郊のアルカラ・デ・エナーレスで、芸術大学教授会の名誉会員に、マヌエラ・カラスコ、トマティート、ヘラルド・ヌニェス、ビセンテ・アミーゴ、ミゲル・ポベーダだら任命されました。

この教授会は1996年に、アルカラ大学とスペイン・アーティスト協会の主導で始まったもの。彼らの他、映画監督や歌手も任命された。これまでにも作家や俳優、外国出身のミュージシャンらもそこに名前を連ねている。



2024年3月15日金曜日

アンダルシア・フラメンコ プログラム発表

 アンダルシア州のフラメンコ公演シリーズ、アンダルシア・フラメンコのプログラムが発表になりました。

前売りは本日3月14日開始しました。

8公演で100ユーロというお得な回数券もありますよ。


◇アンダルシア・フラメンコ

520(月)11時『フラメンコは始めた人の音楽』、21(火)18時『メロディ、ハーモニー、リズム』、22(水)19時『ワーク・イン・プログレス』

[出]〈piano〉チコ・ペレス、〈fl〉セルヒオ・デ・ロペ

[場]セビージャ セントラル劇場 サラB、*20日のみ音楽学校で開催

[料]無料20日はgdiazluque@gmail.com,その他はcentral.info@juntadeandalucia.esへ申し込み。

521(火)21時『ロス・バイレス・ロバードス』」」

[出]〈b〉ダビ・コリア

523(木)21時『レクエルド・デ・セビージャ ニーニョ・リカルドのいない50年』

[出]〈g〉ホセリート・アセド、ホセ・アセド、協力〈g〉ラファエル・リケーニ、〈b〉バレリアーノ・パーニョス

525(土)21時『オメナヘ・ア・パコ・デ・ルシア』

[出]〈g〉ダニエル・カサレス、コルドバ交響楽団

528(火)21時『ウナ・ロサ・アスル・イ・ドス・オホス・ロホス』

[出]〈b〉マカレーナ・ロペス、〈c〉ミゲル・ポベーダ

61(土)21時『ヒタネリア』

[出]〈c〉アントニオ・レジェス、ホセ・バレンシア

64(火)21時『ラ・マテリア』

[出]〈b〉オルガ・ペリセ

66(木)21

[出]〈c〉アンヘレス・トレダーノ

68(土)21時『フレンテ・アル・シレンシオ』

[出]〈b〉ラ・モネータ

[場]セビージャ セントラル劇場 サラA

[料]各18ユーロ

[問]https://www.teatrocentral.es

2024年3月10日日曜日

ヘレスのフェスティバル最終日マヌエラ・カラスコ『シエンプレ・マヌエラ』

マヌエラ・カラスコのソレア! 
最高だった。マヌエラといえばソレアで私がスペインにきてからの、この三十数年間にも何度も何度も見てきた。出てきただけで舞台を、いや劇場全体をも支配してしまう圧倒的な存在感。すっくと腕を上げ、くっと顎を上げたその姿の美しさ。誰にも真似できない彼女ならではのたたずまい。そこにいるだけでオレ!なマヌエラを女神に例えるのはごく自然なことだったように思う。フラメンコを愛するものなら誰もがひれ伏すだろう存在。
だけど今日のソレアは特別だった。
昨年常に彼女と共演していた夫でギタリストのホアキン・アマドールを亡くした。
不在、追憶、憧憬、探索が伝わってくるような導入。踊るうちに無我の境地になって不在を忘れたかに思った時に戻ってくる大きな悲しみ。哀悼。彼女は誰よりも雄弁に語っていた。自らの中にある感情を、心のひだを。言葉にならない思いを。そこにあったのは真実以外の何者でもない。だからこそこんなにも私たちの心を動かすのだ。ソレアに泣いた。皆が泣いた。

引退ツアー用の作品の初演。どんな公演になるのかちょっとドキドキしてた。というのは彼女は筋金入りのバイラオーラで、舞台演出家ではなく、これまでに発表してきた作品にもこれが代表作といえるようなものはないからだ。ハレオ・エストレメーニョでのオープニング、長年彼女の伴唱をしているエンリケ・エストレメーニョのカンテソロでマラゲーニャ.ゲストのへスース・メンデスがファンダンゴにつづいて歌ったカーニャで共演し、母と同じくマヌエラという娘によるアレグリアス、とそこまでは平常心で観ていることができたのに、ソレアになるとタガが外れたようになってしまった。エンリケとマヌエラの歌と足でのやり取りも長年の関係ならでは、で、そこにも感動してた。

神様ありがとう、こんなに素晴らしい時間をくれて。私はこういう瞬間のためにフラメンコをおいかけているのだな、と。実はひどい風邪をひいてヒーヒーいってたのに元気が出た。治った気分。

オフィシャルの写真もビデオもまだ上がってないのですが取り急ぎ感動記しておきます。


今、写真とビデオが来ました!

オープニング、ハレオ。マントン。
©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

エンリケの歌ソロ。メジーソのマラゲーニャにベルディアーレス

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

ヘススの歌ソロはファンダンゴ
©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

立っているだけで絵になるマヌエラ様。
©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

カーニャ。衣装、カーニャらしくはないけれど素敵。

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

女王いや女神に歌う若き騎士。

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez




女王は譲位の意向?皇女を支える。

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

元気にアレグリアス。
©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez
カホンはホセ・カラスコ。マヌエラの弟。横顔がちょっとマリオに似てるよね。

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

ギターにライトがあたり、彼と出会ったのは17歳の時、というマヌエラの語りが入る。

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

ソレア。赤いライトのなか、浮かび上がる女神のシルエット。
©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

最初マントンで踊り始めた時、いや私は普通の、いつものソレアが見たい、と一瞬思った。
©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

マントンでずっとというのは危惧だった。いつものソレアがそこにあった。
シエンプレ、いつも マヌエラ。いつものソレア。いつまでも。

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez
エンリケの歌い掛けと会話するような踊り。

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez


見上げる天にはきっとホアキンが。
©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

デビュー当初、誰もが驚いた強靭な足技健在。
©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez


二人の会話は続く。
©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez


©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

そしてシルエットとなって去っていく二人の後ろ姿。
©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

会場は全員総立ち!
©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez


ちなみにこのビデオの数倍、生は良かったですよ。6月、日本にもいくのでぜひ生で見てくださいね。ちなみに引退ツアーはビエナルでも上演されるし、来年アメリカにもいくそうです。

Manuela Carrasco from Festival de Jerez Televisión on Vimeo.

2024年3月9日土曜日

ヘレスのフェスティバル15日目メルセデス・ルイス『ロマンセロ・デ・バイレ』

ご当地ヘレスを代表するバイラオーラ、メルセデス・ルイスの新作。
芝居がかったことなどなしに、シンプルに、彼女らしさをみせる構成で好感が持てる作品だった。
無音の中、下手からゆっくりと歩いていくオープニング。かみてから現れたホセ・マルドナードとのセビジャーナス。ホセは自分の作品でみせたモデルノさをほぼ封印して、終始、メルセデスを引き立てる役割を見事にこなしていた。
©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

帽子を使ってのファンダンゴからのシギリージャはバタ・デ・コーラとカスタネットで。
©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

カンティーニャは無伴奏でダビ・ラゴスの歌で。
©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

マントンを使ったデュオも面白い。エル・ビート。
©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez


©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez
©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez
©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

最後はヘレスらしくブレリア三昧
©︎Tamara Pastora/Festival de Jerez

新しい何かをくれるとか、そういうものではないけれど、持っているものをすっきりとみせてくれた作品でありました。ホセとのパレハも良かったし、ダビの歌声がやはり今日も最高。



2024年3月8日金曜日

ヘレスのフェスティバル14日目エステベス&パーニョス舞踊団『コンフルエンシア』

一昨年のフェスティバル最終日にアタラジャ博物館で上演された作品がビジャマルタ劇場に登場。元々女性たちによる新作上演予定だったのが、出演ダンサーの一人の急逝により、急遽演目が差し替えられたもの。内容は2年前と変わりがないが、より大きな舞台だと動きもより大きく、照明もより美しく、パワーアップしてみせてくれた。

5人のダンサーに歌、ギター、パーカッションというミニマムなカンパニーながら、5人のダンサーがそれぞれの得意分野(ボレーラ、エスティリサーダ、フラメンコ、コンテンポラリー)を生かしつつ、同じ振りをユニゾンで踊るだけでなく、バリエーションに富んださまざまな構成で、飽きずに見させてくれる。

©︎Esteban Abión/Festival de Jerez

©︎Esteban Abión/Festival de Jerez

フラメンコの源流に位置するロマンセ、ホタやファンダンゴ、サラバンダ、スペイン民謡、アフリカ由来の音楽、フラメンコの歴史の礎である歌や踊り。それがどんなふうに関わり合って今のフラメンコになっていったかが目に見えるような感じ。その意味では前日のウルスラの公演とも繋がるのだけど、過去の振り付けをそのまま踊るのではなく、そのポーズなどを取り入れつつ再構築している。よりスピード感があって奥深いオリジナル。

そこで演奏され踊られた曲についてはこちらに詳しいので興味のある人は見てみてください。

©︎Esteban Abión/Festival de Jerez

椅子に座って踊ったラファエルの素晴らしさ。いや立って踊った時もだけどさ。
©︎Esteban Abión/Festival de Jerez


フラメンコの、スペイン舞踊の素晴らしさ、満喫させてもらいましたよ。ありがとう。

Estévez/Paños y Compañía from Festival de Jerez Televisión on Vimeo.