そして21時からはビジャマルタ劇場で
「ガラ・フラメンカ」
アメリカやロンドン、モスクワ、そして日本などで
“フラメンコ・フェスティバル”と名打った公演シリーズを行っている、
フラメンコ・フェスティバル制作によるフラメンコのガラ公演。
演出はヌエボ・バレエ・エスパニョールのアンヘル・ロハス。
彼自身は出演せずパートナーのカルロス・ロドリゲスが出演。
きちんと構成され照明も美しい。
ワイヤレスの音声が切れるなど、音響のアクシデントが多発したのは残念だったけど。
とにかくなにはなくともカナーレス。
アントニオの存在感は絶対的で
最初のプレセンタシオン、
つまり出演者紹介的なプロローグで登場しただけで拍手喝采。
あの重みも年とともにいい方に効果がでてきたようだ。
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© Festival de Jerez/Javier Fergo/全ての写真
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トップバッターはカルロス・ロドリゲス。
ソレア・ポル・ブレリアスとプログラムにはあるのだが
カンシオン/歌謡曲風。
この人、回転とか特異なバイラリンだったはずなんだけど
テク少し落ちたかな、という感じ。
見かけは男っぽいんだが踊りは女っぽい。
とくに上体が柔らかい。
続いて登場は今売り出し中のヘスス・カルモナ。
元国立バレエ団で一昨年ラ・ウニオンで優勝した。
ルシア・カンピージョとのデュオで踊った「トリージャ7」は
彼の作品「クーナ・ネグラ&ブランカ」で踊っている作品
達者です。振付けも面白い。
そして御大カナーレス登場。
ギターのソレアで
詩を読むところで音響がおかしくなる。
でもさすがカナーレス。
マイクなしでも声届きます。
タンゴは絶品。
この人のリズムの取り方、
コンパスの中での遊び方はやはり素晴らしい。
コンパスをつかんではなす、その感じ。
歌、音、リズムに反応して自由に動く。
サパテアードの強さはもちろんだけど
とにかくゆったりかまえてコンパスと遊んでいるのですよね。
それがいいんだ。
いそがしくちょこまか動き回る若手と対称的。
何もしないようでいてばしっと決めるのがかっこいい。
ここで休憩がはいり
第2部のオープニングはカリメ・アマジャ、
ルシア・カンピージョ、カルメン・コイの3人による
バタ・デ・コーラのカラコーレス。
赤いバタ・デ・コーラは奇麗なのだが
扱いは上々とはお世辞にもいえず
バタはひっくり返るし、きれいに翻らない。
とくにカリメは不得意なようで歩くのもやっとな感じ。
バタ苦手ならバタじゃなくてもいいのにね。
ヘスス・カルモナのソロはアレグリアス。
これがまあ忙しい。
落ち着け、と声かけたくなるくらい。
とくにわからないのはカンテのところでばりばりサパテアードして
ギターだけのところでマルカールすること。
普通反対だよ。お兄さん。
マドリード上京以来、
スペイン国立バレエ団やタブラオ、舞台にと意欲的な活躍中の
ロシオ・バサンのカンテソロをはさみ
昨年ファルキートとの共演で話題をよんだカリメ・アマジャは
シギリージャ。
衣装がとてもシギリージャとは思えない。
蛇柄だか虎柄だか遠目にはよくわからないけどアニマルっぽい上着と
身体にぴったりしたワンピースのスカート部分にはふりるみたいな感じの花。
これも遠目には虎の顔かと思いましたわ。
ま、伝統を守るのも破るのもどっちもありなので
伝統的な衣装じゃないからノーといってるわけではないのだけど
踊り自体も平板でシギリージャのドラマティックな感じとか、
悲劇性とかぜんぜんなかったので残念。
若くて美人で血筋もよくてスタイル抜群なんだけどね。
挨拶のあとのフィン・デ・フィエスタでも
中心はカナーレス。
この人のカリスマ性は 半端ないですね。
何もしないのがかっこいい。