2012年1月28日土曜日

さようならペペ・ペレヒル!

セビージャ市内で
居酒屋を営み
セビジャーナスやサエタを得意とした歌い手
ペペ・ペレヒルが
1月27日
癌のためセビージャのロシオ聖母病院で亡くなりました。



1945年ウエルバ県マンサニージャ生まれ。
ワイン造りがさかんだったこの村の者は
セビージャに出て居酒屋を営むことが多かったといいます。
彼もその一人。
セビージャの中心街、
パドレ・ヘロニモ・デ・コルドバ広場、
ホテル・ドン・パコの隣に
キタペサーレスという居酒屋を営む人気者。


どんな劇場でもマイクはいらないんじゃないかというほどの
圧倒的な声量を誇り
1970年ラジオのコンクールで優勝し
フラメンコやセビジャーナス、サエタのアルバムを録音しています。
フラメンコで得意はファンダンゴ。
 2009年にはセビージャ市金メダルを受賞

昨年4月に癌と診断されてからも
ラジオ番組に出演するなどの活動は続けていました。


25年前はじめて訪れたとき
ワインが25ペセタとか
当時でも破格の安さだったのを思い出します。
客の相手をする合間に
小話を語り、ひとくさり歌い、
いつでもにこにこ。

冥福を祈ります。


2012年1月26日木曜日

バルセロナのタブラオ「エル・コルドベス」のプログラム

バルセロナの
ランブラス通りにある老舗タブラオ
ギタリスト、ルイス・アダメがオーナーで
ファルーコからイスラエル・ガルバン、
チョコラーテ、フェルナンダ・デ・ウトレーラ、
ミゲル・ポベーダ…

フラメンコの歴史に名を残す名手たちが出演してきたこの店の
最近のプログラムがすごい。
クリスマスシーズンはアントニオ・ピパ。
1月9日から22日まではドゥケンデとカレーテ。
これだけだってすごいのだが
今も
そのあともすごいメンバーが出演予定。

現在のプログラムはレメディオス・アマジャだし
2月にはファルーやカルペータも登場予定。


飛行機のってでも行きたい…かも?



1/23(月)〜2/7(火)レメディオス・アマジャとファミリー
[出]〈c〉レメディオス・アマジャ、ホアキーナ・アマジャ、カルメン・アマジャ、サマラ・アマジャ、〈b〉ルイス・アマジャ、エル・ペロン、〈g〉フアン・ディエゴ+〈b〉クラウディア・クルス、イバン・アルカラ、スサナ・エスコダ、〈c〉エル・ココ、アントニオ・ボカイージョ、エル・ルビオ・デ・プルーナ、〈g〉ダビ・セレドゥエラ、エル・トゥート

2/8(水)〜22(水)ファルー&カルペータ
[出]〈b〉ファルー、カルペータほか

2/23(木)〜3/5(月)天才少年たち
[出]〈b〉カルペータ、〈c〉アブラアム・モトス、〈g〉アモス・ロラほか

3/11(日)〜4/11(水)
[出]〈c〉ラ・スーシ、〈b〉パストーラ・ガルバンほか

2012年1月24日火曜日

マルティン・レブエロ逝く

歌い手のマルティン・レブエロが1月21日早朝
セビージャのロシオ聖母病院で
大腸がん、肝臓がんのため亡くなりました。

本名マルティン・ヒメネス。
1945年3月11日マドリードはバジェーカスの生まれ。
ファルーコやマティルデ・コラル、
マヌエラ・カラスコの伴唱もさることながら
やはり歌い手の妻
フアナ・ラ・デル・レブエロが
アンダルシア中のフェスティバルで歌うときには必ずバックでパルマをうち、
興がのればちょっと歌い踊ったり。
ギタリストとなった
息子マルティン・チーコと3人での舞台を覚えている人は多いことだろう。

チャケータの歌詞を歌ったりする
そのグラシアと粋。

奥さんのアルバムで
ガリシア語などで歌ったブレリアなども歌っていた。


映画フラメンコでも
フアナとレメディオス・アマジャのタンゴの場面でパルマをうっているし
映画「ポリゴノスール」にも
ファルキートの「ボーダ・デ・グロリア」にも出演している。



冥福を祈ります。

2012年1月21日土曜日

マラガのフラメンコ公演

マラゲーニャ、
タンゴ・デ・マラガ、
ベルディアーレス…

マラガ由来のフラメンコは数あれど
現在首都マラガにタブラオはなく
コスタ・デル・ソルにあった名門タブラオも今は昔。

でも
フラメンコが全くないというわけではなく
マラガ市立の
セルバンテス劇場,エチェガライ劇場では
下記のように
フラメンコ公演が行われる。


ちなみに
ロンデーニャで有名なロンダも
アンテケーラもマラガ県。



★マラガのフラメンコ
2/12(日)19時「ダンサカリ」
[出]〈b〉アントニオ・ピパ舞踊団
[料]10~27ユーロ
2/19(日)19時「カジェターナ、ス・パシオン」
[出]〈b〉セシリア・ゴメス舞踊団
[料]10~27ユーロ
3/31(土)20時「ソニードス・ブランコス」
[出]〈c〉フアン・バルデラマ、〈g〉ダニエル・カサレス、ルベン・レバエゴほか
[料]7~21ユーロ
5/3(木)20時
[出]〈c〉ホセ・メルセ、〈g〉ディエゴ・デ・モラオ、ケコ・デ・カディス
[料]18~40ユーロ
5/4(金)21時
[出]〈c〉アルヘンティーナ、〈g〉ホセ・ケベド、エウヘニオ・イグレシアス
[料]7~21ユーロ
5/5(土)20時「ペルスペクティーバス」
[出]〈b〉メルセデス・ルイス、〈c〉メルチョーラ・オルテガ、ダビ・ラゴス、ミゲル・ラビ、〈g〉サンティアゴ・ララ、パコ・ララ
[料]9~24ユーロ
5/18(金)21時「カルメン」
[出]〈b〉ロサリオ・カストロ舞踊団
[料]12~36ユーロ
[場]マラガ セルバンテス劇場
[問]http://www.teatrocervantes.com

2/17(金)21時、18(土)20時「ジョ、コンミゴ・ミスマ」
[出]〈b〉ラ・ルピ舞踊団,〈c〉アントニオ・エル・プルガ、アントニオ・カンポス、〈g〉クーロ・デ・マリア
[場]マラガ エチェガライ劇場
[料]7~18ユーロ
[問]http://www.teatroechegaray.com/

2012年1月20日金曜日

セビージャ大学のフラメンコ

これまでミエルコレ、として
毎月1回水曜日にフラメンコ公演を行ってきた
セビージャ大学 シクス。

今年は趣きをかえ、
フラメンコ評論家がベテラン・アーティストに話をきくシリーズがはじまった。

名付けてトラスタブラオ。
カルメン・アマジャの相手役を父にもつ
長らくアメリカ在住だったバイラオーラ、ルイサ・デ・トリアーナ。
ジプシー語、カロで歌ったアルバムで知られる
ハエン出身のベテラン・カンタオール、ガブリエル・モレーノ。
セビージャのベテラントカオール、マノロ・ブレネス。
フランコ時代に反体制の歌詞を歌い何度も投獄されたマヌエル・ヘレーナ。
フラメンコの歴史を振り返るかおぶれだ。

なお、2月9日には
ダンス公演シリーズの一環で
フェルナンド・ロメーロも登場予定だ。


★トラスタブラオ(フラメンコ・アーティストと評論家のおはなし)
2/15(水)マルタ・カラスコ(舞踊評論家)、ルイサ・デ・トリアーナ(b)
3/14(水)フアン・ベルヒージョ(フラメンコ評論家)、ガブリエル・モレーノ(c)
4/11(水)ペパ・サンチェス(フラメンコ研究家)、マノロ・ブレネス(g)
5/16(水)マヌエル・ボルケス(フラメンコ評論家)、マヌエル・ヘレーナ(c)
[場]セビージャ CICUS(c/Madre de Dios,1)
[問]http://cicus.us.es/
※開始は20時。当日の17時から19時半までに招待券をピックアップのこと。

★フェルナンド・ロメーロ「Le Badinage」
2/9(木)20時30分
[出]〈b〉フェルナンド・ロメーロ
[場]セビージャ CICUS(c/Madre de Dios,1)
[料]6ユーロ
[問]http://cicus.us.es/



2012年1月19日木曜日

フラメンコ・フェスティバルUSA2012


毎年恒例、
アメリカのフラメンコ・フェスティバル。

ニューヨーク
ワシントン
ボストン
マイアミ

アメリカ東海岸で最も重要な
このフラメンコ・イベント
今年は
マヌエラ・カラスコ
カルメン・コルテス
ラファエラ・カラスコ
オルガ・ペリセ
と4人のバイラオーラを中心に
フラメンコ以外の
クラシックやポップも盛り込んだプログラム。

なお
このほかに
カルメン・コルテスや
フアン・デ・フアンのマスタークラスもあるそうだ。



★フラメンコ・フェスティバルUSA2012
●ニューヨーク
○大劇場公演
2/24(金)、25(土)19時30分, 21時30分「ジャズ・ミーツ・フラメンコ」
[出]〈g〉ニーニョ・ホセーレ、〈ジャズギター、ボーカル〉ダグ・ワンブル
[場]ニューヨーク リンカーンセンター
3/1(木)「ガラ・フラメンカ」
[出]〈b〉カルメン・コルテス、ラファエラ・カラスコ、オルガ・ペリセ
3/2(金)「ススピロ・フラメンコ」
[出]〈b〉マヌエラ・カラスコ舞踊団
3/3(土)「ロサ、メタル、セニサ」
[出]〈b〉オルガ・ペリセ舞踊団
3/4(日)「バモス・アル・ティロテオ」
[出]〈b〉ラファエラ・カラスコ舞踊団
[場]ニューヨーク シティ・センター
○その他の公演
1/27(金)18時「クラシコ・イ・ホンド」
[出]〈g〉ホセ・マリア・ガジャルド
[場]ニューヨーク インスティトゥート・セルバンテス
2/25(土)20時
[出]〈b〉ライラ・ブロウキム
[場]ニューヨーク 92Y
2/28(火)18時「カテドラ・デ・ギターラ・エスパニョーラ」
[出]〈g〉ホセ・マリア・ガジャルド
[場]ニューヨーク インスティトゥート・セルバンテス
3/2(金)、3(土)19時30分
[出]〈b〉フアン・デ・フアン
[場]ニューヨーク MADミュージアム
3/5(月)20時「ロルカのスペイン民謡」
[出]〈c〉ヘマ・カバジェーロ
[場]ニューヨーク 92Y
3/6(火)18時「スペイン組曲」
[出]〈c〉ロシオ・マルケス、〈piano〉ローサ・トーレス・パルド
[場]ニューヨーク インスティトゥート・セルバンテス
3/8(木)20時「スーペルコップ」
[出]〈c〉ラ・シーカ
[場]ニューヨーク ル・ポワソン・ルージュ
3/9(金)20時「マレコン・ストリート」
[出]〈c〉ピティンゴ
[場]ニューヨーク マンハッタンセンター
3/10(土)
[出]〈ボーカル〉ムチャチート・ボンボ・インフィエルノ
[場]ニューヨーク SOBS Club
[問]http://www.flamencofestival.org

2012年1月18日水曜日

ロンドンのフラメンコ祭



2003年にはじまった
ロンドンのフラメンコ・フェスティバル
今年もまた2月
サッドラーズウエルズ劇場を舞台に開催される。




★ロンドン・フラメンコ・フェスティバル2012
2/7(火)19時30分
[出]〈g〉ビセンテ・アミーゴ
2/8(水)、9(木)19時30分「ススピロ・フラメンコ」
[出]〈b〉マヌエラ・カラスコ舞踊団
2/10(金)19時30分「ロサ、メタル、セニサ」
[出]〈b〉オルガ・ペリセ舞踊団
2/11(土)16時、19時30分、12(日)19時30分「ガラ・フラメンカ」
[出]〈b〉カルメン・コルテス、ラファエラ・カラスコ、オルガ・ペリセ
2/13(月)19時30分
[出]〈g〉ヘラルド・ヌーニェス
2/14(火)、15(水)、16(木)19時30分「フエンテオベフーナ」
[出]〈b〉アントニオ・ガデス舞踊団
2/17(金)19時30分、18(土)16時、19時30分「ポエタ・エン・ヌエバ・ヨルク」
[出]〈b〉ラファエル・アマルゴ舞踊団
2/19(日)19時30分
[出]〈c〉ホセ・メルセ
[場]ロンドン サッドラーズウエルズ劇場
2/18(土)20時「スーペルコップ」
[出]〈c〉ラ・シーカ
[場]ロンドン リリアン・ベイリス劇場
[問]http://www.flamencofestival.org

2012年1月17日火曜日

福原恵理さんセビージャ公演


セビージャ在住の日本人バイラオーラ、
福原恵理さんが
2月7日22時
セビージャはアラメーダ地区にあるライブハウス、
ラ・カハ・ネグラでライブを行います。


セビージャで活躍する日本人バイラオーラというと
日本とスペインを行ったり来たりしている
萩原淳子さんが
このカハ・ネグラをはじめ
新進アーティストを集めた公演シリーズなど
あちこちで公演を行っていますし
また留学生たちも
トリアーナはベティス通りのTデトリアーナや
カフェ・ソルなどのライブに出演していますね。

まめに公演情報をチェックして
みていくと面白いものにであえそうです。

2012年1月14日土曜日

ファルーのクルシージョ

パコ・デ・ルシアのツアーに参加するなど
兄や弟に負けずに活躍中のファルー。

その彼が1月後半の3日間
セビージャで8時間の集中クルシージョを開催。


詳細は下記のメールまで問い合わせのこと。



★ファルーのクルシージョ
1/27(金)18時〜20時、28(土)11時〜14時と18時〜20時、29(日)11時〜14時
[教]〈b〉ファルー
[問]info@flamencosporelmundo.com
http://www.flamencosporelmundo.com/

2012年1月13日金曜日

サラ・バラスが舞台復帰


出産のため舞台から遠ざかっていたサラ・バラス。

今年の5月に無事、男児を出産。
バイラオールの父の名と同じホセと名付けた。

12月にはスペインのスパークリングワイン
カバのクリスマスCMで仕事に復帰。

そして
3月には
スペイン憲法200年記念にちなんだ作品
「ラ・ペパ」
を地元カディスのファリャ大劇場で初演。

妊娠中から案をねっていたというこの作品、
1810年のサン・フェルナンドにはじまり
1812年のカディスを経て
現代に至る物語だとか。
衣装も
当時の風俗をとりいれるという。
憲法制定200年祭のはじまりを飾る作品となる。

ちなみに“ラ・ペパ”とは
そのスペイン最初の憲法のこと。
初演の日、
3月19日が聖ヨゼフ、サン・ホセの日のため、
ホセファの日であり、
ホセファの愛称ペパとよばれるようになったのであります。

また今回から舞踊団の9割はカディス県出身者にかわるそう。
初演が楽しみだ。





★サラ・バラス「ラ・ペパ」
3/19(月)~23(金)
[場]カディス ファリャ大劇場
3/29(木)
[場]パンプローナ
[問]http://www.sarabaras.com



2012年1月11日水曜日

モン・デ・マルサンのフラメンコ祭

スペインの次にフラメンコがさかんなのは日本、と、
よくいわれますが
歴史という点でははるかにおよばないのがフランス。
今もスペインに並ぶ質と規模の
フラメンコ祭が多く開かれています。
その中でも歴史を誇るのが
北フランス、
スペイン国境に近い小さな町モン・デ・マルサンで開かれている
モン・デ・マルサン・フラメンコ芸術祭。
今年で第24回を迎えます。

開催は7月2日から7日の1週間。
その初日を
アンダルシア舞踊団「メタフォラ」
が飾ることが決定しました。

今年の
ヘレスのフェスティバルの開幕をも飾るこの作品
ゲストに
パストーラ・ガルバンと
ロシオ・モリーナという
今一番旬なバイライーラ二人をむかえるとか。
う〜ん楽しみ!

2012年1月3日火曜日

エンリケ・デ・メルチョール逝く

新年早々悲しいニュースで始めなければなりません。

ギタリスト、
エンリケ・デ・メルチョールが
マドリードで亡くなりました。
まだ61歳。

数年前に癌を克服し
舞台に復帰していたのに。
残念でなりません。


1950年セビージャのマルチェーナ生まれ。
父はギタリストのメルチョール・デ・マルチェーナ。
アントニオ・マイレーナやマノロ・カラコールの伴奏で有名だった父のもと、
カラコールのタブラオ“カナステーロス”で研鑽を積む。
日本にも
タブラオ、新宿「エル・フラメンコ」出演のため何度かやってきた。
パコ・デ・ルシアとその兄ラモン・デ・アルへシーラスの
トリオで来日したのも遠い昔のこと。

レブリハーノやホセ・メルセ、ホセ・メネセなどの伴奏で活躍するとともに
ソロ・アルバムを何枚も発表。
父ゆずりの伝統とパコ的な新しさとをあわせもち、
いつもあったかなトーケをきかせた彼がいってしまった。

天国のフィエスタはさぞにぎやかなことだろう。