2015年3月31日火曜日

カプージョ&カルペータenヘレス





 カプージョとカルペータの共演作品、「フエゴ・イ・ティエラ」がヘレスで再演される。



◆「フエゴ・イ・ティエラ」
4/30(木)20時30分
[出]〈c〉カプージョ、〈b〉カルペータ、〈g〉フアン・レケーナ、ディエゴ・アマジャ、〈violin〉ベルナルド・パリージャほか
[場]カディス県ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ ビジャマルタ劇場
[料]15、20ユーロ
[問]http://www.jerez.es/nc/webs_municipales/villamarta


2015年3月30日月曜日

ベレン・マジャのクルシージョ

グラナダのマリパス・ルセーナの教室でベレン・マジャの集中クラスが開催される。



◆ベレン・マジャのクルシージョenグラナダ
4/17(金)〜19(日)
[教]〈b〉ベレン・マジャ
[内容]金17時〜18時30分土日10時30分〜12時「バタ・デ・コーラの技術」金18時30分〜20時土日12時〜13時30分
[場]グラナダ マリパス・ルセーナフラメンコ学校
[問]www.maripazlucena.com 958206172

2015年3月29日日曜日

フラメンコ・アクティボ

世界遺産の町ウベダでのフラメンコ公演シリーズも17回目が開催中。第10回アモノス・オパル・フラメンコも最終節を迎えます。







◆第17回シクロ・アモノス・パル・フラメンコ
4/4(土)21時30分
[出]〈c〉マイテ・マルティン、〈g〉フアン・ラモン・カロ
4/11(土)21時30分
〈c〉アルヘンティーナ、〈g〉ボリータ、〈palmas〉トロンボ、オルーコ
4/17(金)21時30分
[出]〈g〉カニサーレス、フアン・カルロス・ゴメス
4/24(金)21時30分
[出]〈c〉マヌエル・ロンボ
4/25(土)21時30分
[出]〈b〉エル・フンコ、スサナ・カサス
[場]ハエン県ウベダ アウディトリオ・オスピタル・デ・サンティアゴ
[問]630772887

2015年3月28日土曜日

舞踊会議enコルドバ

4月22日から25日までコルドバのゴンゴラ劇場内で第3回国内舞踊会議が開催される。初日は開会式だけだけど、2日目以降はクラシックバレエ、社交ダンス、モダン、最終日にはマヌエル・セゴビアのフォルクローレ、クリスティーナ・ゴメスのエスクエラ・ボレーラ、アントニオ・ナハロのダンサ・エスティリサーダ、ラファエラ・カラスコのフラメンコとマスタークラスのほか、座談会なども予定されている。最終日にはガラ公演も行われるそう。
参加料は無料。申し込みは下記のリンクから。




◆第3回国内舞踊会議
4/22(水)〜25(土)
[場]コルドバ ゴンゴラ劇場サラ・ポリフェモ
[問]http://www.centroflamencofosforito.cordoba.es/iii-congreso-nacional-de-danza-programacion/



2015年3月27日金曜日

ラ・チョニ「レエンクエントロ」

カハソルのフエベス・フラメンコスはラ・チョニ。セビージャ出身のバイラオーラで、俳優が母役でまくしたてる芝居したての作品「ラ・グロリア・デ・ミ・マレ」がヒットした中堅。

最初は無伴奏で裸足で踊る「ソロ」。マリア・パヘスのような腕づかい。ギターのラウル・カンティサノ、歌のアリシア・アクーニャとヒット作でも共演のメンバーと 、パーカッションのアントニオ・モンティエルが加わってシギリージャ。皮のパンツに赤い巻き毛のアリシア、こんな歌い手でしたっけか。なんでも歌うが上手とは言い難い。表面的なのかな。

「ファルーカ」は男装で。 アントニオ・ガデス風なんだけど、やりきらない。ガデスならその手はもうちょっとこっちでもっとめいっぱい伸ばして、とかいいたくなっちゃう。

ゲストのコンテンポラリーダンサー、マヌエル・カニャーダスがバタ・デ・コーラで登場。スペインのコンテンポラリーダンサーはたいてい一度はスペイン舞踊の基礎をかじっているせいもあるのか、スペイン舞踊のブラソもこなす。もちろんバタはこの曲のために練習したものだろうけど。もともと作品「テヒドス・アル・ティエンポ」のためにつくった曲らしく、何年も踊り込んでいるせいもあるのだろう。これまでも長く共演しているせいか、この曲がこの日の白眉。二人で一人のように動くブラソは美しい。

黒いバタ・デ・コーラでのペテネラは、非常にゆっくりした動きなどエバ・ジェルバブエナ風。そういえば昔エバの舞踊団のオーディションに合格したものの怪我でビエナルに出演できなかったことがありました。
チョニの姉?妹?ロサリオ・ソラーなが歌うファド(なかなかのもの)を踊るのは面白い趣向。 これまでもいろいろと新しいものにチャレンジしてきた彼女らしい。

最後はマントンでのカーニャ。これもまたやりきらない感じ。次にする動きを準備するところまでみえてしまうのは興ざめ。衣装は昔風で良いのだけど丈が長過ぎ?短めのコリンなのかな。

うーん、決して下手というわけではなくなんでもやっちゃうし、できちゃうんだけど、それが一線をこえてないというか、完璧をめざして努力するとか、そういうのがなくて、とりあえずできればいいや、っていう感じというのかな、とりあえずできちゃうから深めない、極めない、というようなイメージ。あ、こっちの勝手なイメージですけどね。中堅ではありますが、まだ自分探し中なのかなあ。
マヌエルとのデュオをすすめ、きわめていくというのもありだと思うし、個人的にはそうしてほしいかも、だけど。




2015年3月26日木曜日

ダビ・モラーレス「ロルカ、ムエルト・デ・アモール」

カディス県ラ・リネア・デ・ラ・コンセプシオンは、アルへシラスの隣町。ジブラルタルと国境を接する町であります。その町出身のバイラオール、ダビ・モラーレスが昨年6 月ヘレスで初演した作品「ロルカ、ムエルト・デ・アモール」。

ロルカに関する作品は、フラメンコでもこれまでにもたくさん上演されてきたけれど、 この作品は、マヌエル・フランシスコ・レイナの小説「ロス・アモーレス・オスクーロス」をベースにしており、彼の同性愛に焦点をあてたもの。

上手に3人の歌い手とパーカッションが、下手に3人のギタリストとバイオリン奏者が縦にならぶ。装置はなく、手前の紗幕と後ろのホリゾントにビデオが映し出されるという、すっきりとした舞台。ビデオもファッション写真みたいなおしゃれっぽい感じ。ビデオづかいはラファエル・アマルゴの「ニューヨークの詩人」でもあったなあ。。。

赤いスーツのダビがロルカ。はじめはシギリージャ。ジャケットの肩パットのせいか首がうもれてみえる。グラナイーナ、ソレア・ポル・ブレリア。
アルへシラスのバイラオーラ、ノエリア・サバテルはパソドブレ「ススピロ・デ・エスパニャ(スペインのため息)」の曲をバタ・デ・コーラと共和国の旗の色のマントンで踊る。粗野。

コンテンポラリーのダンサー、イバン・アマジャがロルカの恋人役でティエントを踊り、そこにダビが登場し二人のデュオとなる。狂乱のルンバ。性愛を連想させるようなデュオ。ヌードの男性や、彼らが抱き合うイメージが映写される。同性愛でも性愛をもろに描くようなかたちでなくてもよかったのではないだろうか。実際に抱き合ったりさわったりするよりも、舞踊として二人の愛を表現できたのではないだろうか。R18?になっちゃいそう。

「 ロス・ペレグリニートス」で結婚式のような場面があったりして長い長いアレグリアス。これで黒いドレスのバイラオーラが共和国の旗の色のマントンでダビを死へと誘う。

ダビにしても、ノエリアにしても、野性的というのではなく、がさつというか下品な感じが漂うのはなぜだろう。かがみがちの姿勢のせい?フィエスタのような足を多用するから?振り付けもワンパターンにみえてしまう。いやワンパターンなのか。

作品づくりに努力したのは評価する。なぜ照明があまりあたらないところで踊ったりする?っていうのはあったけどね。コンテンポラリーのダンサーは身体は動くが美しくない。容姿の美醜ではなく形や動きの話ね。

んで音響。ボリュームが大きすぎで結局耳抑えながらみていた私。アンコールを待たずに走って劇場を出たのでありました。



2015年3月25日水曜日

クリスティーナ・ヘーレン財団の若きフラメンコたち

3月26日、セビージャ郊外のラ・リンコナーダの文化センターで、クリスティーナ・ヘーレン財団フラメンコ芸術学校の学生たち80人によるガラ公演、「ホベネス・フラメンコス」が行われる。
地元スペインをはじめ韓国、中国、日本、メキシコ、フランス、アルゼンチン、ブラジル、アメリカなど世界三十カ国から集まった生徒たちが、舞踊、ギター、カンテを披露。振り付けは同校講師のハビエル・バロン、ミラグロス・メンヒバル、ルイサ・パリシオのものだという。
日本からも舞踊のほしのこのみさん、てらいゆめさん、ギターのあくつゆなさん、いしかわこうじさん、ほんだいくみさん、かわはたあきひろさん、すずきひろよしさんと7人が出演予定。徳永兄弟の影響か、かつてなくギタリストたち、がんばってますね。

良い公演となりますよう。mucha mierda!


2015年3月24日火曜日

ビルバオのフラメンコ

北スペイン、バスク地方はビルバオの銀行BBKによるフラメンコ公演シリーズも今年で十回目。記念の年に充実のプログラムを披露。

ビルバオのアフィシオナードたちがはじめたこの企画。毎年ヘレスのアルティスタを中心に出演している。

◆第10回シクロBBKフラメンコ
3/25(水)20時「&デンティダデス」
[出]〈b〉パストーラ・ガルバン、アントニオ・カナーレス、〈c〉ガジ・デ・モロン、クリスティアン・ゲレロ、〈g〉らモン・アマドール、ペドロ・サンチェス
4/29(水)20時「レボルシオン・ア・78・ポル・ミヌトス」
[出]〈c〉エセキエル・ベニテス、メルチョーラ・オルテガ、エル・トロ、〈g〉ホセ・イグナシオ・フランコ
5/13(水)20時「コンビベンシア」
[出]〈b〉ダビ・コリア、アナ・モラーレス、〈c〉ミゲル・オルテガ、〈g〉フアン・アントニオ・スアレス“カーノ”
5/27(水)20時「アイレス・デ・トリアーナ」
[出]〈g〉ラファエル・リケーニ、〈c,g〉マヌエル・モリーナ
6/10(水)20時「コモ・エル・アグア・イ・エル・アセイテ」
[出]〈c〉アントニオ・レジェス、ヘスース・メンデス, 〈g〉アントニオ・カリオン、〈palmas〉マヌエル・サラド、タテ・ヌニェス
[場]ビルバオ サラBBK
[料]16ユーロ※パストーラのみ20ユーロ
[問]www.sakabbk.es

2015年3月23日月曜日

パトリモニオ・フラメンコenグラナダ


春でございます。
グラナダはサクロモンテのアウディトリオでフラメンコ公演が毎週土曜日開催中。出演は地元のアーティストが中心。




◆プリマべラ・フラメンコ2015 パトリモニオ・フラメンコ
3/28(土)
[出]〈b〉バネサ・バルガス、キコ・バジェホ
4/11(土)
[出]〈b〉ラケル・エレディア、レポンピージャ、エル・モレーノ
4/18(土)
[出]〈b〉アントニオ・デ・ベロニカ
5/2(土)
[出]〈b〉ベアトリス・レマチョ、カルロス・カスティジョ
5/30(土)
[出]〈b〉カルメン・ビジェーナ、ホセ・コルテス
6/6(土)
[出]〈b〉ペペ・フローレス
6/13(土)
[出]〈b〉バネサ・フローレス舞踊教室
6/20(土)
[出]〈b〉ホセ・カンデーラ舞踊教室
6/27(土)21時
[出]〈b〉アドリアン・サンチェスとクリスティーナ舞踊教室
[場]グラナダ 市立アウディトリオ“エンリケ・モレンテ”
[料]8、10ユーロ
[問]http://www.granada.org

2015年3月22日日曜日

パコ・デ・ルシア・トリビュート


パコ・デ・ルシアのグループで活躍したアーティストたちによるパコへのトリビュート・バンドが結成され、この夏、ヨーロッパで公演を行う。

メンバーは新旧セクステットのメンバーで、ギターにパコの二人の甥、ホセ・マリア・バンデーラとアントニオ・サンチェス、パーカッションにルベン・ダンタスとピラーニャ、歌にチョンチ・エレディアとダビ・デ・ハコバ、踊りはホアキン・グリロ、ベースにカルラス・ベナベンとアライン・ペレス、ハーモニカのアントニオ・セラーノ、フルートとサックスのホルヘ・パルドという11人。

ヨーロッパ公演のマネージャーを長らくつとめていたマイケル・スターンのプロデュースで現在4つのコンサートが決定している。

◆パコ・デ・ルシア・トリビュート
7/10(金)ノース・シー・ジャズ・フェスティバル
[場]オランダ ロッテルダム 
[問]http://www.northseajazz.com
7/18(土)モントルー・ジャズ・フェスティバル
[場]スイス モントルー
[問]http://www.montreuxjazzfestival.com
7/26(日)19時
[場]ドイツ ミュンヘン ベルアルテ
[料]32〜70ユーロ
[問]https://www.bellarte-muenchen.de
8/5(水)
[場]フランス マルシアック
[問]http://www.jazzinmarciac.com

2015年3月21日土曜日

トリアーナのフラメンコ講演


トリアーナに昨年できた陶器博物館でトリアーナのフラメンコについての講演が2月19日より毎週開催されています。当初はヘレスにいたので行くことができず、やっと出かけられたのが3月19日。フラメンコ研究家ファウスティーノ・ヌーニェスによる「港とインドへの扉におけるフラメンコ」フラメンコへの中南米の影響について語ったものです。

もともとクラシック音楽をウィーンで学び、そこでフラメンコと出会い、アントニオ・ガデス舞踊団でギタリストをつとめ来日公演にも参加したという人。現在はコルドバの高等音楽院の教授でもあります。そんな彼の話は、時に音楽の専門用語も入りますが、わかりやすく楽しい。ギターを弾きながら歌いながら、踊りながらの講演は、とにかく面白い。

セビージャはアメリカ大陸発見後、大陸貿易の玄関口となったところ。 だからこの地で生まれたフラメンコもその影響をうけないわけがない。音楽の影響というのはわかりにくい。とくに以前のフラメンコの歴史は科学的に実証されたものでなく、小説のように書かれた物語だった。だが、近年、ホセ・ルイス・オルティス・ヌエボやホセ・マヌエル・ガンボア、マノロ・ボルケス、そして彼ファウスティーノらをはじめとする研究者が、古い新聞や雑誌をはじめとする記録を丹念に探し、新たな発見がたくさんされている。またファウスティーノはこれまでほぼされていなかった音楽の見地からの研究を行い、ペテネーラがメキシコ起源等、フラメンコ曲種のルーツを中南米にみつけている。ソレアのリズムは中南米起源のサラバンダにあるのじゃないか、など、驚きつつ拝聴。フラメンコのコード進行とブルースのそれの相似性とか、いやあ、もっと聴きたい、と思った次第。もちろん、なんでも中南米、なのではなく、フラメンコたちの新しいものをつくっていく力、そしてフラメンコが、世界に通じる音楽であることも改めて再確認でありました。

フラメンコ研究の世界って、ちょっと近寄り難く思えるかもしれませんが、スペイン語がある程度できる人なら、彼の講演、絶対おすすめです。 機会があればぜひ。

2015年3月20日金曜日

エル・カルペータenマドリード


ファルーコの娘であるファルーカと早世した歌い手の夫モレーノの間の長男がフアン・マヌエル“ファルキート”、次男がアントニオ“ファルー”(ファルーコともいう)、そして三男がマヌエル“カルペータ”なのであります。
ファルーコ一家の末っ子として小さいときから舞台に立っていた彼も 1998年8月生まれ というから今年で17歳。ポスターの写真のようにすっかり大人びてきました。

そんな彼がマドリードのタブラオに出演します。
マドリードの南部レストランバルの店のようです。





4/10(金)22時
[出]〈b〉カルペータ
[場]マドリード タブラオ・エスタシオン・デ・ロス・ポルチェス[問]http://tablaoflamencolaestaciondelosporches.com/

2015年3月19日木曜日

マックス賞のノミネート

第18回マックス賞のノミネートが発表された。
フラメンコ関係のノミネートは以下の通り。
なお発表は5月18日バルセロナ、サラBARTSでの授賞式で。

最優秀舞踊作品
「ボスケ・アルドラ」ロシオ・モリーナ舞踊団
「エン・ラ・メモリア・デル・カンテ1922」アンダルシア・フラメンコ舞踊団
「フラ。コ。メン」イスラエル・ガルバン
「ノマダ」マヌエル・リニャン
「ピサダス」オルガ・ペリセ
「トロバカ」イスラエル・ガルバン

舞台作品のための最優秀作曲
エドゥアルド・トラシエラ「ボスケ・アルドラ」

最優秀振付
ラファエラ・カラスコとダビ・コリア「エン・ラ・メモリア・デル・カンテ1922」
イスラエル・ガルバン「トロバカ」
イスラエル・ガルバン「フラ。コ。メン」
ロシオ・モリーナ「ボスケ・アルドラ」

最優秀舞台空間デザイン
マテオ・フェイホオ「ボスケ・アルドラ」

最優秀女性ダンサー
クロエ・ブルーレ 「メ・バ・グスタンド」
ラファエラ・カラスコ「エン・ラ・メモリア・デル・カンテ1922」
ベレン・マジャ「ロス・インビタードス」
ロシオ・モリーナ「ボスケ・アルドラ」
オルガ・ペリセ「ピサーダス」

最優秀男性ダンサー
ヘスース・カルモナ「7バルコネス」
イスラエル・ガルバ「トロバカ」
イスラエル・ガルバン「フラ。コ。メン」
フアン・カルロス・レリダ「ピサーダス」
マヌエル・リニャン「ロス・インビタードス」
マヌエル・リニャン「ノマダ」
マルコ・バルガス「メ・バ・グスタンド」

最優秀群舞
アンダルシア・フラメンコ舞踊団(Pコミトレ、Aグディ、Lサンタマリア、Fオリアン、Cヤネス、Eレアル、Aロペス、Aセジェス)「エン・ラ・メモリア・デル・カンテ1922」
バネサ・コロマ、ダニエル・フラド、ファビオラ・ペレス、ヘスース・コルバチョ「7バルコネス」
ジョナタン・ミロ、アドリアン・サンタナ、インマクラーダ・アランダ、アナベル・モレーノ、アゲダ・サアベドラ「ノマダ」



「7バルコネス」群舞のところになぜか歌い手の名前があるけれど。。。。






2015年3月18日水曜日

ロサリオ・トレド「ADN」

ヘレスでみたロサリオ・トレド「ADN」 がよかったので3月17日セントラル劇場で再見。
いやあ、やっぱりよかったです。満足満足。

作品の詳細はヘレスと一緒なのですが、舞台が広いだけに、装置・小道具がゆったり配置され、すっきり。 ロサリオも広いスペースでいっそうのびのびと踊ることができたようにみえました。

アレグリアス、 ミロンガ、ルンバと踊り続け、鬼才ニーニョ・ヘロ伴奏のフアン・ビジャールのシギリージャ、ダビ・パロマールのソレアとカディス新旧二人の歌い手が聴かせてくれると、ソレアを踊り、パーカッションのロベルト・ハエンとホタのリズムを踊ったかと思うと、タンギージョは歌い踊り、マントンとバタ・デ・コーラのカーニャと大活躍。
最後のブレリアにいたるまでその楽しさは特筆もの。
ひとつの踊りがどうとか、というよりも作品全体で楽しめる。

芝居仕立ての中に、タブラオ、フィエスタ、内輪できくようなカンテ、フェスティバルできくようなカンテ、などいろいろなかたちのフラメンコが登場し、悲しいことがあっても舞台に立たねばならない、そしていつでもフラメンコのことを考えているアルティスタという仕についても考えさせてくれるような内容になっている。そしてそれを彩るユーモア感覚。
カディスがうんだ一流のアルティスタたち+セビージャとヘレスのギター。
もし機会があればぜひみてほしい作品でございます。

会場には小学生のグループもいたけど、楽しんでくれたかな。
舞台上での着替えにはおお、って声あげてたけど。(ははは)ちなみに後ろ向きなのでみえませんよ〜

またアルティスタもたくさんきていました。
踊り手ではフアン・パレデス、マルコ・バルガス、ラファエラ・カラスコ、ラ・チョニ、クロエ・ブルーレ、アナ・モラーレス、マリア・モレーノ、歌い手ではロサリオ・トレド、ギタリストのアルフレド・ラゴスなどなど
アルティスタも注目のアルティスタなのでありますね。






2015年3月17日火曜日

「ソロス」マドリード公演

ヘレスのフェスティバルで好評だった公演「ソロス」。
ヘラルド・ヌニェスつながりで集まった3人のミュージシャン、歌のダビ・カルピオ、ギターのマヌエル・バレンシア、そしてコントラバスのパブロ・マルティンが、それぞれのソロをきかせながら、マヌエル・リニャンと絡んでいく、今までに無い面白い、素晴らしい公演だった。
2回目の公演となる今回は、マドリードで、パーカッションのセピージョ、そしてサックス奏者も加わっての公演。
ヘレスとはまったく違うものとなることだろう。


◆「ソロス」
3/19(木)21時30分
[出]〈c〉ダビ・カルピオ、〈g〉マヌエル・バレンシア、〈sax〉アリエル・ブリンゲス、〈コントラバス〉パブロ・マルティン・カミネロ、〈perc〉セピージョ
[場]マドリード オフ・デ・ラ・ラティーナ
[問]www.ofdelalatina.com

2015年3月16日月曜日

ダニエル・ドーニャ「ノ・パウサ」

グラナダ出身の舞踊家ダニエル・ドーニャの新作「ノ・パウサ」公演がグラナダのイサベル・ラ・カトリカ劇場にて4月行われる。


1977年グラナダ生まれ。マドリードの高等舞踊学院に学び、スペイン国立バレエ団やアントニオ・マルケス、ラファエラ・カラスコなどの舞踊団で活躍。2006年オルガ・ペリセ、マルコ・フローレスとのトリオで「チャンタ・ラ・ムイ」を上演した。
自ら、バイラオールではなくバイラリンと名乗り、スペイン舞踊を得意とする彼だけにこの最新作もマリア・アロンソ、クリスティーナ・ゴメス、クリスティアン・マルティンとの総勢4人で繰り広げるのはスペイン舞踊が中心。

なお、グラナダ公演後、マドリード近郊のトレス・カントスとコスラダ、レガネスでも上演予定。

ビデオはこちら


◆「ノ・パウサ」
4/10(金)21時
[出]〈b〉ダニエル・ドーニャ
[場]グラナダ イサベル・ラ・カトリカ劇場
[料]12ユーロ
[問]958 22 29 07 http://www.teatroisabellacatolica.es
前売 http://www.redentradas.com/?entradas=daniel-do%C3%B1a-no-pausa&eid=461
4/12(日)
[場]マドリード圏トレス・カントス
4/19(日)
[場]マドリード県コスラダ
5/8(金)
[場]マドリード圏レガネス
[問]http://www.danieldona.es

2015年3月15日日曜日

ラモン・エル・ポルトゥゲスへのオマージュ公演enマドリード

4月20日ラモン・エル・ポルトゥゲスへのオマージュが行われます。
豪華なメンバーが集結。
会場はアトーチャ駅からすぐそば。


1948年メリダ生まれ。歌い手ポリーナ・デ・バダホスは伯父。12歳でマドリードのタブラオ“クエバ・デ・ネメシオ”にデビュー。後、“トーレス・ベルメハス”でカマロンやトゥロネロ、マリオ・マジャらと競演。1967年、新宿エル・フラメンコが開店したときのクアドロのメンバーでもあった。
1992年にはソロアルバムを発表。昨年弟グアディアナとのアルバム「ハレオ」をリリースした。
ギタリスト、パケーテ、パーカッショニスト、ラモン・ポリーナ、ピラニャ、サブは息子。

◆フラメンコ・ポル・ラモン・エル・ポルトゥゲス
4/20(月)20時
[出]〈c〉ホセ・メルセ、グアディアナ、トマシート、モンセ・コルテス、ポティート、ピティンゴ、チュンギートス、〈g〉ペペ・アビチュエラ、モントジータ、ホセミ・カルモナ、パケーテ、ヘスス・デル・ロサリオ、パコ・エレディア、ヘスス・デル・プエルト、〈perc〉ピラニャ、バンドレロ、ラモン・ポリーナ、サブー、〈fl, sax〉 ホルヘ・パルド
[場]マドリード アウディトリオ・マルセリノ・ヵマチョ
[問]電話636397611

2015年3月13日金曜日

ムルシアのフラメンコ祭

ムルシアのフラメンコ祭、クンブレ・フラメンカがムルシアのロメア劇場で開催される。
アンダルシアの東、ムルシアも、北西のエストゥレマドゥーラ同様、フラメンコ熱があり、ラ・ウニオンのフェスティバルをはじめ、定期的なフラメンコ公演も多く行われている。
このクンブレも経済危機で休止されていたものが復活したもの。
なかなかのプログラムでございます。




◆クンブレ・フラメンカ・
3/18(水)21時「フラメンコ・コン・エセンシア」
[出]〈b〉ムルシア舞踊団
3/19(木)21時「インプロビサオ」
[出]〈b〉ファルキート
3/20(金)21時
[出]〈c〉アルカンヘル、ヘロモ・セグーラ、〈g〉ミゲル・アンヘル・コルテス、ヘスース・ゲレーロ
3/21(土)22時「エテルノ・カマロン」
[出]〈c〉ペドロ・グラナイーノ、〈b〉メルセデス・デ・コルドバ、エドゥアルド・ゲレーロほか
[場]ムルシア ロメア劇場
[問]https://cumbreflamencamurcia.wordpress.com/

2015年3月12日木曜日

ヘレスのフェスティバル総括

ヘレスのフェスティバルは土曜日、今年も成功裡のうち閉幕した。
43カ所で163のアクティビティ。その集客率は95%。延べ参加人数は33588人。クルシージョ参加者の国籍は39。73のメディアが 取材に訪れたという。

劇場公演はビジャマルタで14公演、サラ・コンパニアとサラ・パウル、パラシオ・ビジャビセンシオで計26公演、計40公演。前売で売り切れになったのはマルコ・フローレスとオルガ・ペリセ、ダビ・パロマールでサラ・パウルは7公演が売り切れだったという。

クルシージョ参加者の人数では今年も日本が132人でトップだったが、わずか6人差でアメリカが猛追。以下、フランス、ドイツ、と常連が続き、ブラジル、カナダ、イタリア、スペイン、スイスで10位が中国の30人。台湾も18人で14位、韓国も10人で25位とアジア勢も健闘。かつてのようにフラメンコシーンでみかける東洋人=日本人ではありません。もちろんこれは述べ人数。

全公演の中で私がみたのはビジャマルタ劇場公演を中心に18公演。
中で最もよかった一曲をあげるとすればハビエル・バロンのアレグリアス。ルイサ・パリシオの公演にゲスト出演した彼だけど、全く新しい振り付けで、カディスの雰囲気にあふれていて、踊る歓び、生きる歓びにあふれているような彼の踊りにわくわくどきどき。エネルギーもらいました。
作品でいうなら、やっぱりビエナルでもみたイスラエル・ガルバン「フラ。コ。メン」が 良かったし、群舞の素晴らしいアンダルシア舞踊団の「イマヘネス」ももう一度観たい。(セビージャのセントラル劇場でゴールデンウィークにやるのでまた観れる!)新作ではコンチャ・ハレーニョ「エル・バウル・デ・ロス・フラメンコス」が、スペイン舞踊の美しい形をよくみせていたので好きだった。芝居的な作品なんだけどムイ・フラメンコでもあるロサリオ・トレド「ADN」もよかったな。アントニオ・ガデス舞踊団「フエゴ」も初演よりずーっと良くなっていたし。個々をいうならアデラ・カンパージョがいつもよりよりいっそう美しくて旬を感じさせてくれたし、初日のアントニオ・カナーレスの貫禄も忘れられない。ん〜、こうして振り返ってみるとなかなか充実のプログラムでございました。
それに加えてオフ・フェスティバルでもホセ・バレンシアやアグヘータ・チーコ、ミゲル・テジェスなど面白いものをみせてもらいました。あ〜満足。

来年は20周年ということで様々な企画がすでに考えられているらしいです。
2月19日から3月5日までであります。お楽しみに。






2015年3月11日水曜日

エスキナス・デ・アセロ祭enウエルバ

ウエルバ県の主催で3月、新しいフラメンコ祭が開催。
11日から15日まで公演だけでなく展覧会や 講演などもあるのが特徴。
展覧会は9日から22日までウエルバのペーニャのアーカイブで
ウエルバのフラメンコを振り返るという企画のものがプルス・ウルトラ文化センターで開催。
11日はプラネタ・ホンドという、グループのプレゼンテーション。
12日はファンダンゴ・デ・ウエルバの歴史とパコ・デ・ルシアについての講演があります。


◆エスキナス・デ・アセロ祭
 3/12(木)21時
[出]〈c〉フアン・フェルナンド、〈g〉アルバロ・モラ、〈b〉マリア・ホセ・ヘロニモ
3/13(金)21時
[出]〈g〉マヌエル・デ・ラ・ルス
3/14(土)21時
[出]〈c〉カンカニージャ・デ・マルベージャ
[場]ウエルバ コチェーラ・デル・プエルト
3/15(日)12時「ポタへ・フラメンコ・デ・イダ・イ・ブエルタ」
[出]〈b〉クリスティーナ・セボジョほか
[場]ウエルバ ムエジェ・デ・ラス・カラベレス
[料]10ユーロ

2015年3月10日火曜日

ヘレスのフェスティバル 観客賞はメルセデス・ルイスに

ヘレスのフェスティバルの観客賞がメルセデル・ルイス「エジャ」に決定した。

ヘレスのフェスティバルの観客賞は新聞社ディアリオ・デ・ヘレスの主催によるもので、ビジャマルタ劇場の観客に配られるアンケート用紙への記入の集計によりおくられる。今年は初日のメルセデスが9.1点で最高点だったとんこと。
地元ヘレス勢の底力ですね。

2015年3月9日月曜日

コルドバのギター祭

今年のコルドバのギター祭のプログラムが発表された。フラメンコ関係の公演は下記のとおりだが、ほかにもクラシックやロック、ポピュラーのコンサートが行われる。
なんといっても今年の目玉はスティング。闘牛場でスティングというスペインならではのコンサートでございます。






◆コルドバ ギター祭
7/2(木)22時「フラメンコ・ウニベルサル」
[出]〈g〉ペペ・アビチュエラ、〈fl,sax〉ホルヘ・パルド
7/5(日)22時「ラ・テンタシオン・デ・ポー」
[出]〈b〉ルベン・オルモ
7/6(月)22時
[出]〈g〉ニーニョ・ホセーレ、〈piano〉チャノ・ドミンゲス
7/7(火)22時
[出]〈g〉ホセ・アントニオ・ロドリゲス
[場]コルドバ グランテアトロ
[料]8〜21ユーロ
7/5(日)21時30分「ロ・コルテス・ノ・キタ・ロ・ガジャルド」
[出]〈g〉ミゲル・アンヘル・コルテス、ホセ・マリア・ガジャルド
7/11(土)21時30分
[出]〈g〉チクエロ、サンティアゴ・ララ、アルフレド・ラゴス
[場]コルドバ ゴンゴラ劇場
[料]12ユーロ
[問]http://www.guitarracordoba.org/

2015年3月8日日曜日

ヘレスのフェスティバル最終日マリア・デル・マル・モレーノ「ソニオ・ネグロ」


黒い音というこの作品、ヘレスの新聞記者の作で、マヌエル・トーレとその妻で踊り手だったアントニア・ラ・ガンバにスポットをあてたもの。地元へレスの劇団の人に演出を依頼し、女優二人も出演し台詞をしゃべるという、演劇ともフラメンコともつかないもの。

机の上をかきまぜるマリア・デル・マル。金網がはられたついたてがふたつ。

女優のうち一人がアントニア(もう一人はそのお手伝いをする親戚の娘か)なら、マリア・デル・マルもアントニアで、どちらも台詞を話す。うーん、よくわからないコンセプト。舞踊は言葉で伝えられないものを伝えるからこそのもので、フラメンコが国境をこえていくのは言葉が不要だからではないのか?
マヌエル・トーレは三人の歌い手、アントニオ・マレーナ、マヌエル・マレーナ、エル・トロ。いずれもヘレスの歌い手だが、誰も本家の響きをもたない。

アントニオのシギリージャ。黒い衣装のマリア・デル・マルが踊る。背中は丸く、顔は下向き。マヌエルのソレア。
©Festival de Jerez/Javier Fergo

セビージャのカフェ・カンタンテ時代の思い出を女優が語る。上手にあまり高級でないマントンが飾られ、カフェ・カンタンテでのアレグリアス。歌うのはトロ。マントンをまいて昔風の衣装で踊るが、昔風に踊るわけでもない。夫である歌い手に「そんな顔するな」で歌がとまりおしまい。

 ©Festival de Jerez/Javier Fergo

コルネットで聖週間のイメージ。そこにアントニオが歌うサエタ。

女優の台詞で葬式の話。葬式代払ったのはマルチェーナだったという話から、アントニオ・チャコンかマヌエル・トーレかの論戦がパルマの応酬で表現されブレリア・ポル・ソレア。

©Festival de Jerez/Javier Fergo
マラゲーニャ。

「女は家で扉を閉めて足は閉じて」 という台詞が女優とマリア・デル・マルが繰り返し、金網のついたてに閉じ込められてタラント。踊っているのだが姿はほぼみえない。
©Festival de Jerez/Javier Fergo

アントニオとトロの歌うソレアで再び踊る。

シギリージャ、ファルーカ、シギリージャ。
もともといろんな表現を持ってる人じゃないから、何を踊っても同じようにみえる。
どれもマヌエル・トーレのレパートリーではある。でも結局何がいいたい?
偉大な歌い手のうしろにいた不幸なバイラオーラがありました? 
©Festival de Jerez/Javier Fergo


最後はスペインで一般的な何段にもなったお墓への埋葬で終わる。おい。
映画的かもしれない。でもフラメンコの舞台でというのは斬新というか、複雑。墓地がフラメンコの舞台に出て来るとは想像だにしなかった。

今年のヘレスのフェスティバルは残念ながらなんとも後味の悪い、暗い幕切れとなりました。



来年は2月19日から3月5日まで。20周年、どんなフェスティバルになるのだろうか。


カルロス・エレディア早世

朝Facebookを開いたらカルロス・エレディアが亡くなったという。信じられずにあちこち情報を探したのだけど、そう書いているのはFBだけで、でも次々に増えていくコメントをみていると本当なのだと思う。

カルロス・エレディア、本名カルロス・ベルムデス・エレディアは1961年セビージャ生まれのギタリスト。子どものときからギターを弾き、その頃の映像がこちら。歌っているのはレメディオス・アマジャ。


私が出会ったのはたぶんセビージャのカルボネリアだと思う。よくここで演奏したし、教えてもいたように覚えている。
今ヘレスで書類を確認できないのだけど、たぶん、ビエナルにも伴奏などで出演していたと思う。

日本のファンにはフアナ・アマジャの伴奏をしている映像が知られているかもしれない。


タブラオ、ロス・ガジョスで弾いていたこともあったし、舞踊や歌の伴奏をよくしていた。
1996年にはアルバム「ジプシー・フラメンコ」を発表した。アメリカ録音。

その後ギター制作に転向し、約15年間舞台から遠ざかっていたけれど、2011年にはセビージャで復活コンサートを開いた。

詳細が何もわからないのがもどかしいけれどご冥福を祈ります。

2015年3月7日土曜日

ヘレスのフェスティバル15日目フアン・レケナ「アロジョ・デ・ミエル」

© Festival de Jerez/Javier Fergo
サラ・コンパニアで19時からの公演はフアン・レケナ。マラガ出身のギタリストで、主に舞踊や歌の伴奏で活躍している。公演にあわせて初のソロ・アルバムを録音し、そのアルバムのままに演奏したのがこのリサイタル。

ギターソロでのタランタ、ソレア。アネ・カラスコとパコ・ベガ、ヘレスとセビージャの若きパーカッション奏者が入ったブレリア。
エレクトリックベースの演奏ではじまるコロンビアーナ。至るところにパコ・デ・ルシアの影がみえる。ファルセータをそのまま演奏しているわけではないけれど、パコがあの曲でつかったハーモニーだ、あの曲の音の取り方だ、といった感じでパコの影響がみえるのだ。
 
ゲストのレメディオス・アマジャが登場すると空気が変わる。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
得意のタンゴをのびのびと歌う。音がきこえにくそうなのはちょっとかわいそう。
会場の音響もボリュームが大きすぎ、また低音きかせすぎで気持ち悪い。もったいない。
再びギターソロでロンデーニャ。アレグリアスがあって再びレメディオスでハレオ・エストレメーニョ。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
ペドロ・エル・グラナイーノにホセ・アンヘル・カルモナ、アナベル・バレンシアのカンテ陣をはじめ、バイオリンのベルナルド・パリージャ、パルマ隊と大人数なのもアルバム通りにしたかったゆえとか。

伴奏で鍛えられたギタリスト、実力十分。これからも伴奏もやめずに、ソロもお願い、ですね。



2015年3月6日金曜日

ヘレスのフェスティバル14日目その2アンダルシア舞踊団「イマへネス」

アンダルシア舞踊団は昨年のビエナルで初演した「イマへネス」。同舞踊団結成20周年を記念する作品で、これまで同舞踊団の監督をつとめた5人の舞踊家/踊り手であり振付家である彼らへのオマージュとして、現監督のラファエラ・カラスコが作り上げた作品.ラファエラらしい繊細な美しさにあふれた作品となっている。

5人の監督、5つの場面からなるこの作品。
最初は初代監督マリオ・マジャへのオマージュ。
鐘の音が響き、最初はラファエラのソロ。祈りを捧げるかのように踊る。
そこから椅子に座ってのサパテアードの群舞が加わる。
椅子に座ってのサパテアードといえばマリオならではの振り。それをモチーフに繰り広げられる群舞。圧倒的な美しさ。手の形、靴音までしっかり揃った群舞の迫力。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
 エル・ネグロ・デル・プエルトらのロマンセが流れる。そしてトリージャが歌われる。
プリミティブなフラメンコでアンダルシア舞踊団の歴史の始まりを象徴している?
サパテアードとパルマだけのシーン。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
 ラファエラはマリオのスピリットをきちんと継承し伝えている。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
二代目監督マリア・パヘスは彼女の出世作ともなった「アンダルシアの犬」の、カンテラをつかったシーンをもとにした場面。ペテネラ。ギターのこまやかな響き。

© Festival de Jerez/Javier Fergo

© Festival de Jerez/Javier Fergo
三代目、ホセ・アントニオへのオマージュは彼がカルメン・アマジャに捧げた作品「レジェンダ」での舞台いっぱいに広がる白いバタ・デ・コーラをラファエラがまとい、原作以上の動きをみせるところから始まる。バックには映画「バルセロナ物語」でのカルメンの足がうつしだされる。無伴奏でのティエントス。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
舞台は白いバタ・デ・コーラのダンサーたちで一杯になる。そこに赤い線が映し出されていく。スタイリッシュだ。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
最後は赤いバタ・デ・コーラのアナ・モラーレスが登場。タンゴ・デ・マラガ。今最も美しいかたちをみせるバイラオーラ。バタさばきも一流。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
4代目クリスティーナ・オヨスは彼女の作品で、愛知万博時に来日公演も行われた「南への旅」のトランクをモチーフに。スクリーンに映し出されるのはいきかう人々の足。そして駅。時計。舞踊団を通り過ぎて行った人々のことを思い出させる。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
舞踊団ソリスト、長身のウーゴ・ロペスが、美しい跳躍やサパテアードで魅了する。
身長193センチ、おそらく世界一背の高いバイラオールは、トランクをステージに踊りまくる。

前監督ルベン・オルモへは彼が得意とするマントンで表現。豪華な刺繍がほどこされたマントンが舞い、ラファエラからダビへ、ダビからアナへと手渡される。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
ソリスト、ダビ・コリアの形の美しさ。スペイン国立バレエ団出身の彼は回転ひとつにしてもなんともエレガントだ。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
ラファエラとのデュオもいい。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
ソリストだけでなく舞踊団員もそれぞれに見せ場を貰う。
渡されるマントンのように繋がれていくアート。
それぞれの監督作品の小物をモチーフに新しいフラメンコを美しく作り上げたラファエラの手腕には脱帽の一言。フラメンコファンにも舞踊ファンにもぜひ見てもらいたい上質な作品であります。

ビデオはこちらから

ヘレスのフェスティバル14日目その1ダビ・カルピオ、マヌエル・バレンシア、パブロ・マルティン、マヌエル・リニャン「ソロス」

ヘレスの歌い手ダビ・カルピオとギタリスト、マヌエル・バレンシア、そしてバスク地方のビトリア出身のコントラバス奏者パブロ・マルティンが出会ったのはヘラルド・ヌニェスのグループの一員としてだった。ヘラルド抜きでも何かをしてみようというのが彼らの試み。そこにグラナダ出身マヌエル・リニャンが加わってこの公演「ソロス」が実現した。

舞台上手に椅子が縦に一列4脚並んでいる。下手には斜めに二つの椅子とコントラバス。
コントラバスのソロのソレアにギターが加わり、歌もはじまり、そこに黒いバタ・デ・コーラのリニャンが加わる。そのバタさばきの見事なこと。そしてスカートをはいていながらも男性的なラインを崩さない、そのかっこよさ。女性のバタではない、男性のバタならではの魅力。

マヌエル・バレンシアのギターソロ。ヘレスのギターの系譜を脈々と伝える見事なソロだ。力強さと繊細さ。その両方を兼ね備えた素晴らしいフラメンコ。そこにコントラバスが加わっていく。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
コントラバス伴奏のマラゲーニャ。
タンゴ・デ・マラガはカンテソロで始まり、ギターが加わり、そこに踊りが加わる。リニャンのタンゴにはグラナダ風がところどころに顔をだす。オレ!

© Festival de Jerez/Javier Fergo
 ダビ・カルピオが無伴奏でマルティネーテ。そこにからむリニャン。果ては歌い手の手をとり向きをかえたり。こういうちょっとしたユーモアも楽しい。
ダビの歌も多種多様なものを熱唱。さすがのアフィシオンを感じる。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
コントラバスのソロからブレリアへ。そして最後はソレア。再びバタ・デ・コーラのリニャン。
© Festival de Jerez/Javier Fergo

 いい歌といいギターといいコントラバスといい踊り。
上質な音楽と舞踊。シンプルな4人だけの舞台は今年のフェスティバルの作品の中でも出色の出来。もう一度ぜひ観たい。


追悼ファラオナ

ピラール・モントージャ“ラ・ファラオーナ”が亡くなった。
1960年セビージャ生まれというからまだ54歳。早すぎる死。
ファルーコの娘でファルーカの姉。父のグループやタブラオなどで活躍し、ブロードウェイで上演された「フラメンコ・プーロ」にも、父やチョコラテ、グイトらと共演しました。

私が初めてみたのはタブラオ、ロス・ガジョスでだった。80年代の終わり頃だと思います。歌って踊るフェステーラでの出演で、タンゴやブレリアが彼女の演目だった。 当時の写真がこちら。彼女もまだ20代ですね。


1992年にはファルーコ一家でセビージャ万博、アンダルシア館のタブラオに出演。筒ゆずりの風格あふれる姿をみせてくれました。


最近では甥ファルーコの舞台にゲスト出演することが多く、昨年のビエナルでもマエストランサ劇場で籠を手にタンゴを少し踊った、そのアイローサな姿が忘れられません。

3月もセビージャのフラメンコ教室でクラス開講という予定をみ、また2月28日にはウトレーラで行われた父ファルーコへのオマージュに杖をついてではあるものの姿をみせていました。そのときの写真記事がこちら

心よりご冥福を祈ります。

なお、昨年、ラ・ウニオンのコンクールの舞踊部門で優勝したバルージョは彼女の息子。彼の活躍をこれからも天から見守っていくことでしょう。


2015年3月5日木曜日

ヘレスのフェスティバル13日目エドゥアルド・ゲレーロ「エル・カジェホン・デ・ペカドス」

水の音とため息。バスルームにいるのだろうか。女性の声でこの2年間の彼の気持ちが語られる。赤い光の中で踊る裸のエドゥアルド・ゲレーロ。ファッション写真で有名なルヴェン・アファナドールがフラメンコを題材にした本「アンヘル・ヒターノ」の表紙になった写真を思い起こさせる。

カディス生まれのエドゥアルドはエバ・ジェルバブエナやロシオ・モリーナの舞踊団で活躍するカディス出身の踊り手である。昨年のビエナルで同じタイトルの作品を初演した。てっきり同じ作品だと思ってみにいかないつもりだったのだけど、記者会見で質問したら「全く違う内容」というのででかけてきましたサラ・コンパニア。

同じカディス出身のセルヒオ・モンロイのピアノをはさんでタラントへ。2013年、ラ・ウニオンのコンクールで優勝した曲をそのままの振付けで踊る。そのテクニック。柔軟性。舞踊団での活躍でその巧さは知っていたけれど、こうしてソロで観るといっそう感じる。

© Festival de Jerez/Javier Fergo”
タンゴは旅行者がイメージするヒターノみたいに、水玉のシャツで。髪をみだしてグラナダやトリアーナの爺様婆様的な動きなどもいれるのだけど、どうしても本物にはみえない感じが面白い。というか、もちろんわざとなヒターノぶりでかえって本人のおしゃれさがでるという。

© Festival de Jerez/Javier Fergo”


ピアノ伴奏でのカンテソロ、マラゲーニャは、いやあ、どうしたらこうなるかと思えるほどけったいなもの。音程も悪いし発声も変。声量だけあるんだけど。

録音のマルティネーテからのシギリージャもセビージャでもみたような。でも衣装も変わり、照明を足下からあて影と踊るようにした工夫が面白い。写真でわかるかな?

© Festival de Jerez/Javier Fergo”
再びカンテソロをはさみピアノ伴奏でコプラ。歌うはマヌエル・ロンボ。カラコールが歌ってローラ・フローレスが踊るイメージなんだけど、男二人というのはあまりないような? あ、マイテ・マルティンとベレン・マジャってのもあったね。もともとはカディス在住の人気歌手が予定されていたのだけど変更になったそうです。

© Festival de Jerez/Javier Fergo”
 パーカッションのソロから小さな台に上がってのサパテアードがあって、

© Festival de Jerez/Javier Fergo”

ギターのソロはブレリア。同じカディスだけど親戚ではないというヘスース・ゲレーロ。すごいです。いいパルマできいてみたい。最後はソレア・ポル・ブレリア。

© Festival de Jerez/Javier Fergo”
 なんかさっきのタンゴと同じような振りがでてくるわけであります。うーむ。ダンサーとしてのすごさには文句つけようがない。作品のつくりとしてもセントラルよりはよくなった。でもできる人にはもっと上をのぞみたくなってしまうもの。申し訳ありません。今回もロシオ・モリーナの振りも踊っていたそうだけど(最初の曲かな?)ほかの振付家の曲をもっと踊ってもらいたい。自分の振付けにこだわらず、もっと彼の個性をいかす振りができるような、そんな気が少しした夜でした。


夜中はグアリダ・デ・アンヘルでミゲル・テジェス。ヘレス出身でマドリード在住の彼は、マノレーテやグイトのスタイルを継承する人。といっても彼らの振りをそのまま踊るというわけではなく、彼らの姿勢や回転のきれ、おとこらしさなどを継承している人であります。なかなかようございました。
んで2階席には22時からのマイセータをききにきたというカプージョがいて、さんざん歌ってましたとさ。いや私も久しぶりで会って、昔の写真とかみせて盛り上がってしまい朝帰りでございます。二日連続はさすがにつらい。

2015年3月4日水曜日

ヘレスのフェスティバル12日目コンチャ・ハレーニョ「エル・バウル・デ・ロス・フラメンコス」

フラメンコにはさまざまな種類の小物が使われる。カスタネット、帽子、扇、杖、タンバリン、マントン…。それら小物に焦点をあわせたのがこの作品。意味はフラメンコたちのつづら、ということ。マドリードの実力派コンチャが、長年の友達でもあるラファエル・エステベスの協力でつくりあげたのがこの作品。曲も衣装も振付けも舞台上の動きも、バラエティにとんでいるから何も知らなくても楽しめるけれど、フラメンコの歴史に詳しい、オタクな人には、あ、これはあの絵のポーズだ、あの写真だ、元ネタは誰だ、とまた違った風にも楽しめるという作品なのであります。試験に使えるかもしれない。

フラメンコ前史とでもいうべき、エスクエラ・ボレーラ的なカスタネットをつかった曲からスタート。まだフラメンコという名前もなく、バイレ・デル・パイス国の踊り、などとよばれていた時代でしょうか。スカートはふくらんで短め。男性、マラガ出身のアドリアン・サンタナも半ズボンであります。ブラソの形もボレーラ的、バレエ的な感じ。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
それが少しずつ今あるようなフラメンコへと変わって行くのであります。ある形をそのまま踊るのではなく、それを壊して行く事から始まった、もしくは形にあわせるのではなく自分の中を表現するようになったとでもいうべきでしょうか。真ん中の黒い衣装、黒子をつとめているのはアナ・サラサール。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
スカートは長くなり(真ん中であげていたものをおろして舞台上で同じ衣装が長くなる!)、ゆったりとした動きのフラメンコに。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
コルドベスを手にカディスのタンゴを踊ります。この元ネタはパストーラ・インペリオ。マティルデ・コラルが観て学んだという、オリジナルのビデオはこちら。よくあるタンギージョのコルドベスとはまったくちがいます。このビデオは晩年のものですがカディス生まれの歌って踊るラ・メホラーナの娘で古い香りのフラメンコをよく伝えていると思われます。その帽子を受け取った男はカルセレーラ。これはグラン・アントニオを思い起こさせます。ハリウッド映画にも出演、世界中を公演してまわった大スター、グラン・アントニオの写真集にあるような形ですね。それがトリージャへとかわります。そのとき鈴をならしていたパーカッションのバンドレーロの頭には白い帽子。田舎の牛飼いの帽子のイメージかな。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
 この帽子がアドリアンに渡り今度はグアヒーラ。キューバ男にはやがわり。キューバの農園風?色あいの衣装のコンチャと。後ろのすそを少しひいているのは当時流行のバッスルスタイルからきているのでありますね。アバニコを使っての美しいナンバー。

© Festival de Jerez/Javier Fergo 
そこからマルティネーテ、トナ/グランデが朗々と歌われます。そこからホティージャ、タラント、ベルディアーレスへとつながっていく組曲。マルティネーテではバストン、ホティージャではタンバリンが、


タラントではチンチン(アラブ舞踊でももちいれられる金属製のカスタネットみたいなもの)でざんばら髪で。カルメン・アマジャとともにタラントの踊りの先駆者といわれるフェルナンダ・ロメーロのイメージでありますね。ベルディアーレスはリボンのついたカスタネットで。伝統的な振付けのアレンジが素晴らしい。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
プレゴンはアナ・サラサール。彼女らしい芝居仕立てで、洋服をアドリアンに売りつける。「フランスの貴族様みたいだよ」とおだてて彼の前でメホラーナらのカンティーニャスを歌い踊る。ビバカディス!

© Festival de Jerez/Javier Fergo
カラコーレスはバタ・デ・コーラで。ちょっとごてごてした衣装でありますが、バタさばきにも定評のあるコンチャ。お見事。

© Festival de Jerez/Javier Fergo
闘牛をモチーフにしたコミカルなシーン。カポーテとカパ(マント)さばきをみせたかと思うと歌い手マヌエル・ガーゴが闘牛士に変身し牛になったアドリアンにとどめを。最後はオーケストラでのカーニャをカルメン・アマジャのイメージで。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
最後はソレア・ペテネラ、ペテネラ。マントンを使ってはなやかに。ブランカ・デル・レイのようなマントン技をあますことなくみせてます。
© Festival de Jerez/Javier Fergo
いやあ1時間半ちょい、楽しませてくれました。ミュージシャンたちも伴奏だけでなく、舞台の上で動き踊りとしっかりとつくられています。照明もきれいだし、うん、ぜひまた観たい。


この公演のビデオはこちら 写真にない闘牛のシーンもはいってます。

こちらはプロモーションビデオ。 15分と長めです。一昨年末に初演されたときのもの。その後、出産がありひさびざの再演となりました。